Atoban-aruze0401556

『Dry.janckson』

刻まれた星は

私達に何を教えたかったのだろう

私には夜空に浮かぶ星の中で

輝いて見えてもらいたがった

憐れな星にしか見えないよ

流星は一瞬一目を奪うけど

お前は停滞にて贅沢

星達が反発して砕けるよ

つまり羽は両肩で成り立つのさ



『アウパーストローク』

NEGA色の森に入り込む

鯉は空中を泳ぐよ口を開け

鉄骨が不規則に埋められた池に

青くなった檸檬を見た

全ては反転の一撃

上昇にて滲透

空彩色が捩れた



『オクトパス』

海水のサブマリンを捕らえる

それは赤い肌をしていて

君はその手足を菓子だと言う

駄菓子屋にて君は哲学風に言う


オクトパスは海に住んでいるけど

その身体は都合が悪いそうだ

上手に泳げないみたい

私達は陸のオクトパスなのかもね

上手く歩けてないかも


ほらアイスが溶けてる



『サンテルシア』

頭が目指すのは陸の舟

赤いサイレンを街に貼り

鳴り始めたら空を目指せ黒の

宇宙とアルカリ性に値する空を


ネオンが破られて零れる

魚となりそれは地表を泳ぐ



『エザーサンスレンス』

火中の大木に中継をしてる

電波は無断で公共へ

愛好者は泣いて

放火魔は笑ってた


車道の白線をバクが食らう

鋏で空を切り糊代する

子供は悪戯で空へ落ちていく

見つめたがもう居なかった



『枕の夢側』

黒い線 迸る花びらの蛇口 木目の表情

今の金網 金属プラスチック 足下の水


頬張るよ有りっ丈の浴槽の欲


瞼の裏 目盛は切れず

月に緑色の水中

影の浮世 風の森に

錆びたドアの 向う庭


頬張るよ有りっ丈の浴槽の欲

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