ポイポイ

さよならを告げ

思い出も未練も

下心なんかもありますが

穴を掘り捨てて

燃やしました

引きずって生きそうなんで

踏み出す為の逃避な前向き

今日は天気が良いから

本屋まで歩いて行きます


歩いていると

足枷が鉄球付で落ちてきました

僕の直ぐ真後ろにそれは落ち

左足に噛み付きました

異変に腰を抜かし

訳が解らないまま

繋ぐ鎖を引っ張っていると

魚眼の様な伸びた字で

鉄球にこう書かれてました

ピンクで「未練」と


気がどうかしていてました

帰り道が「未練」にみえました

僕は「未練」を引きずりながら

本屋を目指す

歩いているとゴミ収集車が

ゴミを置いて行きました

その不可解な行動が気になり

黒いゴミ袋を一つ開けると

燃やした「思い出」でした

灰にならない状態で

身元が確認できました

僕は「思い出」を拾わず歩く


電柱の広告の電話先

彼女の携帯番号が書かれていて

バス停を覗くと

現在私は「懐しさ」に停ってる

この先の「自暴自棄」が不安


まだまだ遠い

「未練」は重いのです

本屋までの道のり

延びる錯覚は気のせいじゃない

住宅が立ち並ぶ町

両塀に挟まれた道路を歩く

そこで落書きをみました


そこには二人の出会った時から

別れた時までの「軌跡」が

丁寧に書かれていました


もうどうでも良くなりました

僕は鎖が張るくらいに走る

本屋を過ぎて街へ行く

ビルに登り飛び降りました

下を見上げる様に首をあげた

彼女の目の前に落ちました

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