遺書

これを読む頃/私の周りはどうしているのでしょうか?/やはり泣いているのでしょうか?/何やかんやで笑顔ばかりが咲いていたのに/哀く雨を降らす様な事をして/申し訳ないと思っております/もし笑っていられる方が居ましたら/どうぞ私の亡骸に唾を吐くや蹴るや/何なりとして下さい/手紙を書いてる今/先の事など知れないのです/私がその様な振舞をされても仕方の無い事をしたのならば/過去の私から私が亡き今の人様へ/言葉は少ないです/申し訳ないです/いつ死ぬのでしょうか人とは?/二十歳には死のうと思っています私は/既に十六歳で/後四年ばかりで心中するつもりですが/思うだけであり二十一歳の誕生日を迎えるんだなと思っております/そして老衰するんだなと思います/もしもこの翌日に事故で死んでも後悔は無いです/あらゆる物の名に私の詩を刻みたいと思いますが/それは痛みを伴いますが/これが私の時間だったのだと/思う事でしょう/せめて/生まれた季節である八月の夏に/一時の午後死にとう思います/私は何処にも居なくなりますので/骨と灰は土に撒いて下さい/この言葉を置いて逝きますのでお考え下さい/その意味が分かるか/投げ出すかで/あなた方一人一人の死後の私の寿命が決まるでしょう/


戸の花に

逝く陽射しの線は

追記される事の無い

芽生えた茜の横顔

手は扇ぐ

石は硬くも流す

流れは止まらずにも

息しております

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