スパイクヘルシー

タータンを踏み刺す様な健康に

友人は拒絶をしていた

臍を中心とした黒い宙の渦に

友人は飲み込まれてしまった

光の侵入を許さない小さな黒いビー玉が出来た

私はそれを飲み込んだ

お腹の腹痛とはそれきり会っていない

無駄な脂肪も内側に消えた

私の家ではトイレが無言で埃塗れになっていた


針が染み込む血中の成分に

医者は問答した

耳の中から言葉の麺が出ているのを確認した私は

医者の話を無視してそれを啜っていた

すると医者は慌て出して分厚い本を見ていた

時計をやけに気にしていて

自分自身に呪いを掛けていた

しかし口調が段々と生意気になって来た

「君、どっからきたの?お茶しない?」

股部に触れようとするその目は男の恐怖いとこの全てを集めたものだった

急いで啜る事にした

諦めたのか呪いの時の様にブツブツ呟いていた

チラチラと私を見ながら文章を書いていた

覗いて見ようとしたら

医者は私を押し倒した

膨らんだ胸に手が触れて医者は慌ててた

そして先程の文章を読み上げた

「君とは…今まで‥長い間…啀み合ってたけど…あれ?読めない!?」

医者は紙を丸めて

部屋を無邪気に駆け回った

私は丸めた紙を広げて少しばかり照れた

医者は言った

「ねぇ、お姉ちゃん‥お母さんは?」

今にも泣き出し出しそうだったので

背中から抱き締めた

母性でなんとか出来ると思ったのだ

しかし等々泣き出してしまった

そして段々と立てなくなりハイハイをしだした

やがて抜け殻の様に動かなくなった

私にもう一人分の知恵が付いた

頭が良くなった


タータンを踏み刺す様な健康に

ハマっている

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