実のない木

君何してた?私?

満月をナイフで

三日月にしてた


駅は誰も居なかった/早朝とは常に独りです/私は/一番の電車に乗って遠くに行くのです/私の足を止めるのは生理現象でも無いみたいです/


やっぱり誰かなんです


このブランコは

理由を無くしている

加速の感覚は肌に付いていると

あれ程豪語してたのに


そんなもんなのよ


温もりも感覚も記憶も

鉄の身体でお解りになりました?


電車は決して理由を無くさない/私の奥/そう私が口にしていた/電車の生涯において/朽ち果てる間でに絶望させる事は/


出来ないのでしょうか?


そのレール

いつも走ってるけど

異変しといてみたから楽しみにしてます


君がヘラヘラして轢いた動物さんレールに敷いといてあげました


電車が来ました

ほら 行けない事してる

誰か私と

電車を止めて


つなぎ止めてくれる人は居ませんでした/私はドアから手だけを出して居ました/その間は景色は誰も居なかった/私の手はドアに付いてある刃で切り落とされました/


差し延べる事も

出来なくなりました



電車は行く

赤いスプレーで脅迫の溢れた道を


電車は行く

ビニールテープの雑に張られた蜘蛛の古巣の様なトンネルを


電車は行く

お前がヘラヘラして轢いた動物さん達の敷いといたレールを

血飛沫あげて血糊を重ねて行ったのだ


電車は行く

次の駅へ

皆驚いて逃げて行ってしまったよ

その金属音

泣いてるの?


私だけが一人駅で降りました/乗客は独りも居ませんでした/それで良いです/


それで良いです


私は荷物を咥えて駅を後にした


この先の石ころ置いてたとこで倒れたのは

辛かったのですか?

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