植木と支配
私によって支配されるものが欲しくて
小さな種を埋めた
水を与えず顔を出させない
顔を出したなら潰し逆さに植える
それでも実が生きるのなら 若いうちに噛り付き 目の前で吐き捨てる
私は小さな独裁者を気取りたかった
さぁ 種を埋めよう
蝉の抜け殻が土から出てくる月の晩
風が背中に入り込み
カラカラと入る空気が
草と鈴虫の音と混じる
木に登り粉々になる
殻は粉になり土になる
壊れたテレビは
自分勝手に顔を見せては消し
違う顔を見せたりする
一度目覚まし時計をかけた時があり
テレビは明るく光りだし爆発した
太陽が高速で昇り沈みを繰り返している
すっかり二月になった
部屋も外も変わんない
吐く息白くして 砂嵐の向こうに私の背中が映り振り向く
私は二次元だったんだ
携帯もパソコンも自分の妄想で私自身も二次元だったんだ
この世界の事実に気づいた私は二次元警察に捕まり
世界最重要の秘密を知ったものとして死刑になった
友達は自殺と知らされ泣いていた
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