風船
商店街に用があって向かうことにした
此処はとても平和なところだ
争いとかそんなもの全てが浄化して消えてしまうところなんだ
公園と並ぶこの世の天国とい言ってもいいと思う
ただ商店街には空が無い
商店街の空は色々な人達
勿論そこで店を出している人たちも含めて
画期的な人の来る場所を目指そうと
市が商店街を包み込む大きな屋根が建てられたのだ
その屋根色は赤に近い薄紫で陽の出ている日は
商店街の街の色にはその色が入り込む
ここにずっと住むということは
本当の空の大きさや色を知らないで終わるのかもしれない
ある女の子が風船を放してしまった
風船は昇って行き
やがて商店街の天井に突きそこにずっと浮いているのでした
空に天井なんて言葉があっていいのだろうか
疑問の声が内から聞こえた
普通の台風の日でも人はやって来る
外は雨でも商店街は中心に入るほど風が無いのだ
風が向こうに辿り着く前に死んでしまうなんてあって良いのだろうか
電気屋さんの人と仲が良く気難しい話だけどって前振りでこの話をしたら
妻がよ子供を産んだ時さこの街を久しぶりに出たんだよ
なんかこんなにも青くて深いんだなって思ったよ
天気雨が病院についた時さ降っていて
雨に打たれるってこんな感じだったんだって涙を流したねと答えてくれた
天気ってのは理不尽だけどさ本当に感謝しなきゃならないね
無くなっちまえとか思っているのは此処に住んでから言って欲しいね
僕は予定にない乾電池を買って商店街を出た
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