農場を発展させて世界を牛耳る!? 異世界農業奮闘記。
豊穣の鍬――それは死の大地にさえ癒しをもたらす神々の秘宝。
そして癒しの女神アルレイアは死にゆく星を救わんと人間に豊穣の鍬を託した。
豊穣の鍬の力は神が如く強大であった。
砂漠と化した大地を草原へと変え、枯れ果てた運河に水源を生み出し、人々を襲う魔物を滅ぼし、天災さえをも鎮めた。
人々は女神に、そして豊穣の鍬に選ばれし一族を称えた。世界の救世主と。
しかし、光あるところに闇があるように、選ばれし一族を妬み蔑み亡き者にしようとする者が現れる。
毒牙にかかった一族は散り散りになり難を逃れるも、豊穣の鍬の力を失う。
そこに現れた知識の女神ケニファス。一族で最も若い娘に神々の叡智を授ける。
その知識は人間に扱える範疇を超え、僅かな叡智の欠片は少女を賢者へと至らせる。
しかし、人には過ぎたる叡智を知る賢者はその知識を語り継ぐことなくこの世を去った。
それから数百年の時が流れ、一人の女性が運命の女神ウルクナによって世界へ招かれる。
知識の女神ケニファスより知識を授けられ、
癒しの女神アルレイアより加護を与えられ、
運命の女神ウルクナより運命を託される。
神々より世界の命運を託された少女は――今日も畑を耕す。
「「「人選、間違えていませんか?」」」