第3話 赤い虎と青い龍
前回までのあらすじ
アスレチックを巡り、よっちゃんチームvs星空バスターズのアスレチックしっぽ取りが始まった。接戦の中、蛍と叶が敗退し、敵の男子3人を撃破した。残るは夢vs健くん。愛vs西園くん。流星vsよっちゃん!(おまけの希望)
誰が勝つのか…!
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その頃夢は健くんとアスレチックを飛びまわり、しっぽ取り合っていた。
夢がアスレチックの柱から、
勢いよく健くんのおしり目掛けて飛びかかる。
すると、健くんは宙でひらりと交し、地面に降りた。
「…!」
夢が赤い目を更に光らせると、
柱を踏みつけ、
風をきって、健くんに飛びかかる。
健くんは体をぶるっと震わせた。
「本当…おまえ、最高…!」
健くんは青い眼光で夢を見ると
飛び上がった。
夢はそれを見て四つん這いになり、
手と足に力をいっぱい入れると、たけしの方へと飛んだ。
「負けない…」
健くんがそう言うと、風をけって、足を空に向けた。
「!」
夢が健くんの様子を見ると、
目を丸くして驚いた。
健くんが夢の頭を掴むと、
地面に叩きつけた。
「っあ…!」
夢が後頭部を強く打つと、衝撃で思わず口を開いた。
夢の視界がぼやけ、ぐるぐると目を回していく。
顔を掴んでいる健くんは怪しげに笑うと、くくくっと笑った。
「本当に…毎日強くなってる…」
健くんは夢の顔を強く握りしめた。
「ねぇ、もっと見せて。本気の姿を!」
健くんの眼光が鋭くなっていくと、夢の頭を持ち上げ、もう一度勢いよく打ち付けた。
「夢!!」
叶は耐えきれず、アスレチックの階段まで身を乗り出し、叫んだ。
先程まで抵抗していた夢の手が、パタリと動かなくなった。
叶は耐えきれず、ぐっと唇をかみ締め、健くんを睨みつけ、階段を駆け上がった。
「夢!」
叶の様子を見た健くんは眉間にしわをよせ、叶の目の前まで来た。叶の胸を強く押すと、健くんはいった。
「じゃま。来ないで」
叶の体が傾き、後ろへと落ちていく。
時間がゆっくりと感じ始めた。
その場にいる人が全員が口をぽかんと開けて見つめる中、夢は立ち上がった。
叶の手をとると、階段上へと引っ張りあげた。
夢は振り向き、健くんをみた。
その目は赤いルビーの様に光り、恨む相手を鮮明に写し出していた。
健くんの体は震えたち、にやりと不敵な笑みを見せた。
「最っ高…!」
夢に飛びかかる健くんに、
夢は横腹をけりあげた。
健くんは体制を崩しつつ、夢の胸ぐらを掴み、地面に叩きつけようとした。
夢は手に上向きにまたがった。
地面に健くんの手が当たると同時に夢は地面に手を付き、足で健くんを蹴りながら、倒立した。
その足を思いっきり地面に叩き付ける。
健くんは、背中を強く落ち、その場で動けなくなった。
夢は健くんの上から離れた。
「ははっ、わかった。勝負つけよう。」
健くんは体をゆっくりと起き上がらせると、夢に不敵な笑みを浮かべた。
夢も同様に健くんをみた。
校庭の砂が飛沫をあげる。
両者間合いをはなしていく。
健くんが先に夢のしっぽを取りに行こうと走り出した。
夢も地をけり、健くんのしっぽ目掛けて走り出した。
瞬きをしている間に2人はすれ違っていた。
健くんがその場にたち、話し始めた。
「本当…お前…好きだわ…」
彼のおしりからしっぽは無くなっていた。
健くんは満足気な顔でその場で倒れた。
その姿を見た夢は、安心する様に倒れた。
赤い目は消え、いつもの目に戻っていた。
叶が夢の元へいき、夢を抱き上げた。
「ゆめ!大丈夫?」
夢は、うっすらと目を開けた。
夢の腰にはしっぽがなかった。
夢は叶の胸に飛びつくと、小さな声でポツポツと話した。
「…叶…抱っこ」
叶は少し顔を赤らめると、小さな体の夢を抱きしめ、階段を下りた。
夢は幸せそうに笑っていた。
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