8話 暗躍する天使達 その4
2032年1月
ミカエルはガイアからの命令を受けて、アメリカ政府及び軍との交渉をしていたが、無事任務終了して武器供与交渉の結果をガイアに報告し始めた。
「ガイア様、アメリカとの武器供与の密約は成功しました」
「意外と早かったわね。取りあえずご苦労様でした。で、結果は?」
交渉内容の結果は次のとおりであった。
陸軍
・AH-64F 50機 提供価格1機25億
現在開発中の新型機種 メインローターヘッドの耐久性の解決に日本の金属素材メーカーが参加してアメリカに部品提供し、日本でライセンス生産。
部品を米国提供する代わりに、今後のライセンス生産料無償。
・CH-47H 150機 提供価格1機40億
現在開発中の新型機種で、旧型のF型に比べて最大積載重量が2トン向上。
・ロボット兵器、パワードスーツ関連の開発情報の無償提供。
・レールガン関連技術の無償提供
・兵站補給関連技術ノウハウの無償提供
空軍
・B-1B 50機 年間10機ずつ提供
B-1BをB-1Rにアップグレード計画でのエンジン、レーダー、空対空ミサイル等の提供と技術公開、改造に伴う技術スタッフ派遣
提供価格は1機500億円のところ、トモダチ価格で250億円
エンジン、爆弾、ミサイル等を全て満載し、当面はメンテナンススタッフとパイロット等の指導スタッフの期間限定無償派遣指導付
・A-10C 200機 提供価格1機15億円 年間40機ずつ提供
B-1Bの場合と同様にメンテナンススタッフ等の指導スタッフの期間限定無償派遣指導付
海軍
・アングルドデッキ空母の中古艦(8万トン)2艦提供
提供価格 2,000億円
・ズムウォルト級駆逐艦の建造、運用ノウハウ提供
・強襲揚陸艦、輸送艦、補給艦等の兵站システムの提供
・中古空母提供に伴い、空母艦載機F-18E 120機 提供価格1機80億円
年間20機ずつ提供
B-1Bの場合と同様にメンテナンススタッフ等の指導スタッフの期間限定無償派遣指導付
海兵隊
・海兵隊組織全体の運用ノウハウの提供
・強襲揚陸時の戦術・運用ノウハウの提供
「ガイア様、以上が交渉で得られた結果です」
「素晴らしい!よくやったミカエル。まさか陸海空海兵隊全てから協力をもらえるとはね」
「ハイ、アメリカ側としては韓国は今まで同盟国であるため、例え北と仲良くなり敵対行動や裏切り行為をしたとしても、表立って軍事行動で叩くわけには行かず、せいぜい作戦統帥権を譲渡して米軍基地を撤退するしか無かったわけだったそうです。
そして今回、韓国が日本に戦争を吹っ掛けそうなので、日本に米国の代理で韓国へ怒りの鉄拳をお見舞いして欲しいというのが本音で、これらの武器供与は日本の憲法改正へのお祝いというか、少し遅くなったクリスマスプレゼントだと言っていました」
「よく我慢していたよね米軍は。大国の余裕というところかな」
「アメリカに限らず、ヨーロッパ諸国も韓国に総スカン状態で、世界中で一番嫌われている国になりつつありますね」
「確かに欧米人は、嘘吐きと裏切り行為を一番嫌うからな」
「私が情報を与えるまでもなく、既に米軍側は韓国軍が近年中に対馬に侵攻することを予想し、軍の動きについても把握済みです」
「だろうな。これまでの韓国政府と軍の動きから、どんな軍事的素人でも戦争の可能性が高いことを予測するが、だが一番危機感が無いのは日本の政治家の連中だからな」
「だから、あえて平和ボケした日本に痛みを与えるわけですか」
「ミカエル、そういうことだ。
先日、韓国側からミサイル攻撃の誤射を受け、ようやく危機感を覚えて憲法改正が出来た国だからな」
ガイアは、現在ガヴリエル達に行わせている『対馬領土論』の流布の活動について、韓国は世界一のネット社会であり、このトンデモ学説の国民への浸透が想像以上に早く進んでおり、次の計画も前倒しせざるを得ないことをミカエルに説明していた。
「ガイア様、日本と韓国はいつ頃までに戦争が始まるのですか?」
「うむ、2035年の春か、夏までに動くだろうな」
「そんなに早くなるのですか?」
「そうだ、日本の関係者に武器供与兵器の件を早急に伝えてくれ」
「了解、早急に関係機関に手配します」
ミカエル達は再びガイアのところを離れ、急ぎ日本に飛んだ。
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