第34話 馬鹿皇子陥落
首脳会議の3日目は、結局プロポーズをしまくっていた為、殆ど、王城にいなかった。まぁ、俺にとってはだが、実り多き1日だったと言えるだろう。
1番大きいのは、セレスティーナが何を考えているのか。が、分からない状態で不安定と来ていた為、ただでさえ、テリウスの所為で、神経を使っているのに、疲れさせんな、と思っていた事が一気に解決した事だろう。
何度も言うが、セレスティーナは、スタイル抜群の超絶美女なのだ。そして、それを鼻に掛ける事もない、良い女なのである。その美女とやっちゃったんだから、心も晴れやかなのは仕方あるまい。
そして、結婚を決断した事で、シャルロットもソルティアーナも掌中となり、シリルにもプロポーズ出来た。そして、セレスティーナが落ち着きを取り戻し、メイリーナと確執を生む事も無く、丸く納まったのは、正に僥倖であった。
こうして、スタイル抜群美女嫁軍団が出来上がったのである。多分、この瞬間が生涯で1番幸せな時間なのだろうと思う。
ただ、ここからまた一仕事、桜、椿、エルラーナ、セリア、ミレーナ。彼女達の扱いをどうするか。が、思案のしどころとなるだろう。
対外的には、セレスティーナ、シャルロット、ソルティアーナ、シリル、メイリーナを正室枠として、第一から第五夫人として、他を側室に迎え入れるのが、妥当なのだろうとは、思う。セリアとエルラーナはそれで問題ないと思うのだ。
問題は、桜、椿、ミレーナは俺の配下なので、側室にしてしまうのも、また微妙なのだ。そう、弥助より立場が上になるのは上手くない。弥助、霧、桜、椿、ミレーナは、同じ立ち位置に置いておきたい。
愛人枠にしておこう。桜、椿、ミレーナは配下であると同時に愛人という事にしようと思う。あくまでも対外的な話なので、問題ないだろう。俺の女達の扱いは、どうせ一緒なのだ。全員『俺の女』これ以上でも以下でもない。
じゃぁ、何故、そんな事を考えるのか。貴族になる気はないのだが、神々の保養地と言われる場所を作った時、その地を治める一家となるのだ。それ故、後継者の問題は必ず出て来てしまう。その時に困らない様に、対外的序列を作っておくのだ。
セレスティーナとシャルロットを2トップとしておけば、王国にも帝国にも配慮した形になる。万が一、マサキが他界した後、王国や帝国に侵攻される事がない様にする為なのだが。
この世界であれば、マサキが生きている内に教育を施せれば、どの嫁の子であっても一家を起こさせ、貴族として王国や帝国に送り込む事も可能だろう。どっちの国も人材不足なのだ。そして、貴族にならずとも、子らが教師となって学校を作り、一大学園都市にする様な事も可能だろう。
何せ、10人も女がいるのだ、2人ずつ産んでもらったとしても、20人。これだけいれば何とかなる気がするのだ。どうせ、他にも手を付けてしまうのだろうしね。所詮は、絶倫ロクデナシ野郎なのだ。
等と言う事を、首脳会議終了後の晩飯の席で考えていた。テリウスが大人しいのが不気味故、同席はしているものの、気分は最高なので、どうしてもアレコレ考えてしまうのである。どうやら、嫁をもらうのが、嬉しくて仕方がないらしい。
一つ心配事があるとすれば、学校の生徒達の女子4人が、色めき立っていた事だろう。まぁ、何か言って来たら、卒業してから考えようと、先延ばしする気満々なのだが。あんな美少女達に、お前なんか要らないなんて言える訳がないのだ。先延ばしにしているうちに、好きな男が出来るかもしれないだろ?
こんなにも気分が良いのだ、テリウス君には是非、大人しくしていてもらいたい。なんと言うのか、俺が結婚する事を、嬉しく思える事が、嬉しくて仕方ないのだ。やっと、あの
そんなマサキの様子をメイリーナが見ていた。
「貴方?何かご機嫌ね?」
「あぁ、分かるか。今日な、コーラル家のシリルを含めて、皆にプロポーズして回ったんだ。」
「それで、ご機嫌なの?」
「まぁ、それもあるんだけどな、結婚てほら、一度失敗してるだろ?だから、二度と考える事はないと思っていたんだ。だが、今日そうしてみて、結婚を喜んでいる自分がいる事が、寧ろ嬉しくてな。やっと、あの呪縛から解放されるんだと。」
「あぁ、そっか。今度は幸せになろうね。」
「あぁ、全力でな。メイ、お前がいれば、俺は俺でいられる。だから、大丈夫だ。きっと幸せを掴める。」
「あら、メイって呼んでくれるの?」
「だって長いじゃないか。」
「ううん、嬉しいのよ。」
「そんなもんか?」
「女はね、愛称で呼ばれるのが、嬉しいものよ。」
「ほう……。」
夕食の配膳が終わり、乾杯の声で晩餐会がスタートした。連日こんな事していて、疲れないのかね。俺はごめんだなぁ。
マサキは、スマホの電源を入れた。カメラを起動して、運ばれている料理を鑑定していた。ん?あれは……、少しは、手を変えるとか品を変えるとか、すれば良いと思うのだ。俺がやりました!と言わんばかりなんだがなぁ……。で、あの料理はどこへ?
あー、そこ行っちゃうか。
「ルキウス。ちょっと待て。」
と言って、マサキは立ち上がり、ルキウスの所へ歩いて行った。
ルキウスの皿を取り上げて、テリウスの皿と交換してやった。
「もう、良いぞ。」
「どうしたんです?」
「まぁ、見ていれば解る。」
テリウスは、固まってしまった。馬鹿なのだ、またヒ素なのだ。もうね、怒る気力も湧かない。恐らく、自国の皇子が倒れたとなれば、王国が疑われると思っているのだろう。そもそも、王国側での会談を提案したのは、俺なのだ。帝国側でやれば、テリウスがどんな手を打って来るか判らないからだ。
「どうした、テリウス。食べないのか?」
「いや、ちょっと腹の具合が……。」
「美味しいヒ素入り料理だから、食べたら楽になるぞ?永眠出来るしな。」
これを聞いた、レオ皇帝は、ついにブチ切れた様だ。
「貴様。この期に及んで、まだ、そんな事をしているのか!?何処迄帝国の恥を晒せば気が済むのだ!流石に堪忍袋の緒が切れた。騎士殿、此奴を牢にぶち込んで下され。」
「はっ!承知致しました。」
テリウスは、両側を騎士達に拘束され、連行されて行った。
「さーて、テリウスの従者の君。自分が何をしたかは、理解しているな?」
執事は真っ青だ。
「は、はい~、申し訳ございません。」
「いやさ~、命令されたと言うのも、分からんじゃないんだけどな?主が間違いを犯そうとしているのに、盲目的に従うのが、従者の役目じゃないだろ?自国の皇子を手に掛けようとしたんだ、その報いは受けねばならんだろうさ。」
「近衛!」
「はっ!」
「連行よろしく。」
「承知致しました。」
「レオ親父。あいつを生かしておくと、いくつ命が有っても足りないぞ?何人死ぬかも分からんし。」
レオ皇帝は、項垂れた。が、決断をした様だ。
「その通りだった。マサキ殿に『それは、為政者としてどうかと思うぜ。』と言われた時、決断すべきだったのだ。全ては私の不徳の致すところ。今回はキッチリ裁く。」
「そう言う親父も嫌いじゃないんだがな。相手が悪すぎたね。」
「うむ、あそこまで馬鹿だと、思いたくなかったのだ。すまぬ。」
「俺の方は気にしなくて良いさ。あーそうだ、シャルロットな、婚約やめて結婚する事にした。改めて宜しくな、親父。」
「おお!それは、嬉しい話だな。」
「そうそう、あっちも親父、こっちも親父。仲良くしてくれよ。」
「うんうん、そうだな。」
再び、晩餐会は始まった。
中止にはしないんだな。両国とも同盟はどうしても結びたいのだ。国益もさる事ながら、大陸の東が安定していれば、帝国としては、西だけ気を付ければ良いし、万が一の時には、俺がいるからだ。王国は経済の立て直しが急務だしな。
マサキは、席に戻りながら、ローレル辺境伯に声を掛けた。
「カルロスぅ~、飛竜って2人位乗れる?」
「ん?大丈夫だぞ?3人までは余裕だな。女性なら4人はイケル。」
「ローレルに帰る時さ、俺を乗せて行って欲しいんだ。ゲートを繋いで措きたい。」
「ああ、良いぞ。帰りに声掛ければ良いか?」
「うん、お願い。」
マサキは、席に戻ってメイリーナと喋りながら食事をした。
晩餐会メニューの割には、腹がいっぱいになった。これは名より実を取ると言う事なのだろう。食べた気がしない美しい料理より、お腹一杯食べてね、と言う心遣いである。
テリウスも拘束したし、もう憂いは無さそうだ。会議の場で、血を流さず済んだのは、僥倖であったと言えるだろう。野心を持つなとは言わないが、人心を掌握出来る手段を用いるべきだと、俺は思うのだ。
会社にあっても若手などは、1度は人の上に立って采配を揮いたい、と思うであろう。また、そういう会社でなければ発展はしない。そういう野心は、知恵を生むからだ。効率よく何かを成すには、どうすれば良いか。等の知恵や工夫が、社会を発展させ、これが先人の知恵となり、社会に培われて行く。
そういう平和的野心を持ってもらいたいものである。誰かを貶めるのではなく、自分が成長して、上に立ってもらいたいと思うのだ。
晩餐会も終わり、さぁ脱出だ!と思ったところに、1人の女性が近付いてきた。帝国の従者の様だが……。
「マサキ様。先程は、ルキウス殿下をお救い頂き、ありがとう御座いました。」
「貴女は?」
「私は、ルキウス殿下の婚約者で、アイリと申します。今後とも、殿下共々宜しくお願い申し上げます。」
「婚約者が従者で良いの?」
「ええ、私は、貴族の子女ですけれども、行儀見習いで、城に上がっておりますので、いつもメイド服なのですよ。」
と笑いながら言う、アイリはとても可愛く、ルキウスとお似合いだと思った。
「あぁ、だから同じ部屋で、問題ないんだ。じゃぁ、ルキウスに、夕べはお楽しみでしたねって言ってやろう。」
「うふふふ。」
「あら~、いやだわ~、その余裕の笑み。仲が良さそうだね。」
「ええ、お陰様で。」
「あー、そうなると、アイリは姉ちゃんになるのかな。」
「では、シャルロット殿下と?」
「あぁ、うん。結婚しようと思ってる。」
「では、そうなりますね。仲良くして下さいね。」
「おう、時々火遊びしような。」
「まぁ!」
という会話を交わし、セレスティーナの部屋へ向かった。
マサキはセレスティーナの隣に座って、腰を抱いた。
「よう、セレス体調はどうだ?」
セレスティーナは、赤い顔で照れた様に言う。
「問題ありませんよ。ちょっと、まだマサキ様が入っている様な感じがします。学校で歩き方が変て言われちゃいました。」
「まぁ、そうだろうなぁ。するか?」
真っ赤な顔のまま、
「はい。」
と答えた。
「やっぱり、セレスがエロ担当じゃないか。メイリーナも大概だとは思うが。」
「母様は、エッチなのですか?」
「んまぁ…………、かなり?」
「私もエッチにして下さい。」
「いや、何も対抗せんでも……。」
「嫌です!母様には負けられません。」
「それは、勝ち負けなのかなぁ。するのが、好きか嫌いかだけだろ?セレスは我慢が出来ない娘だから、もう手遅れなんだと、俺は思うがなぁ。親子揃ってエロエロだぞ?既に。」
「もう!!イジワル。」
そんな話をして、セレスと3回戦。なんか、気持ち良くなっちゃったらしく。盛大に声をあげていた。俺は、そんなセレスティーナを見て興奮しちゃって、ハッスルしちゃったんだよ。
今日は、これで良しとしよう。と思うじゃないか、最高の美女を3回も抱いたのだ。それ以上、何を求めるのか。
気になっちゃったんだよ。隣のドアが。もう夜も深くなってきて、みんな就寝中だ。そーっと、ドアを開けて、静かにソルティアーナのベッドに近付いて、ベッドの横の床に座ったら、横を向いて寝ていたソルティアーナと目が合ってしまった。
「起きてたの?」
「姉様の声が、大き過ぎて、寝られませんでした。」
「あー、デカかったね。あいつの声。」
ソルティアーナの目は潤んでいた。
「マサキ様は何か、御用ですか?」
「夜這い。」
「私に?」
「他に誰が?」
「もう、あんなの聞かされたら興奮して眠れません。私を女にして下さい。」
「うむ。しに来た。ルティの初めてを頂きに来た。良いか?」
「お願いします。」
マサキは、【
初めて……なんだよな?印あるし。何か気持ち良かったみたい。絶叫してた。
そんなだったので、3回戦してしまった……。今日のメニューは姉妹丼だった。
まぁ、本人が満足していたので、良しとしよう。深夜を過ぎて、午前様となってしまい、屋敷に帰るのが、面倒臭くなってしまったんだが、ソルティアーナの部屋で寝るのは、ちょっと気が引ける。
かと言って、セレスティーナの所へ行ったら、また脱がしてしまう自信がある。
考えた挙句、メイリーナの部屋に行った。
寝ているメイリーナのベッドに滑り込み、横で眠りについたのである。朝起きたら、メイリーナが何か叫んでいた。
「あ…吃驚した~。襲われちゃったかと、思っちゃったじゃない!!」
「良いじゃねーか、良く寝てたから、起こさなかったんだよ。」
「嘘!貴方は気配を消して、入って来た筈。そのまま横で寝たんでしょ?」
「夜這いのプロになれそうだろ?」
「もう!馬鹿。心臓止まるかと思ったんだからね!」
「悪い悪い。驚かすつもりはなかったんだよ。帰るのが面倒だっただけ。」
「面倒って隣じゃない。」
「まぁな、メイの隣が良かったんだよ。」
「そう、なら仕方ないわね。」
ふっ、チョロい。と不敵な笑みを浮かべた。
「どうせ、チョロいとか思ってるんでしょ?そうよ、チョロいわよ。貴方にメロメロよ。仕方ないじゃない。愛してるんだから。」
「あ、開き直りやがった。」
「どうせ、口じゃ貴方に勝てないもの。」
「そう、怒るなよ。お前の隣で寝たかったのは事実なんだから。だから、何もしなかったろ?」
「そうね、そうだったわ。何か嬉しいんだけど、吃驚したの。」
「そういや、屋敷帰ってねーな。帰ろう。」
「そう、今日はどうするの?」
「学校いくよ、夕方ゲート開けに来ればいいだろ?もう、事務折衝しかなさそうだしな。テリウスが拘束されれば、憂いはないだろう。」
「わかった。夜は来る?」
「てか、お前が屋敷に引っ越して来いよ。準備だけはしておけよ。今日か明日、カルロスが帰る時、一緒にローレル行って来る。」
「はい。」
一応、屋敷に戻って、着流しに着替えて雪駄を履き、二本差しの貧乏侍の恰好で学校に行った。
「先生!恰好良い!!」
と、クラスの女子から声が上がった。
「あれ?これ略式のだらしない恰好なんだけどなぁ。」
「似合うよ~。」
どうやら、この恰好でも大丈夫な様だ。
「そう言えば、シリル。女性は愛称で呼ばれた方が嬉しいと聞いたのだが、そうなのか?」
「そうですね。その方が良いですね。」
「シリルの愛称を考えて来た。」
「何ですか?」
「『尻』」
「いやですぅ~!!!」
「そうか、もう1回考えよう。」
ビーンが腹を抱えて言う。
「先生。それ態とだよな?態となんだよな?じゃなかったら、シリル嬢が可哀相だろ?」
「当たり前だ。午前中の講義前に一服の清涼剤。笑いがあればこそ、頭が回ると言うものだ。」
「マジか!!」
「嘘だ。」
どうやら、ツボに入ってしまったらしい。早く帰って来る事を祈る。
「よーし、講義を始めるぞ~。」
「「「お願いします。」」」
夏休み迄、あと僅か。教えられる事は、出来るだけ教えておこう。子供達が知識不足で足を踏み外す事が無い様に。
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