異世界転生の記憶がある王女アリサ、その補佐官を勤めるカイ。
異世界転生というと、それを活かした新たな開拓や開発といった物語が多い中、アリサは王女として生きています。
前世の記憶を活かすどころか、不思議な事を口走る変人扱いまでされてしまう始末。
もちろん、全ての人物がアリサの言葉を否定する訳ではありません。
アリサの側で、アリサの事を支える人物――それが、幼馴染でもあるカイです。
二人は幼馴染で王族と下位貴族の立場でありながらその信頼関係は序盤から大きく映ります。
その信頼こそが、この物語の鍵とも言えます。
そして、アリサの異世界転生前の記憶は物語のスパイスです。
その記憶が、面白さを際だて物語に深みを与えると言っても良いでしょう。
筆者様の明るい物語に、二人の掛け合い、そして、信頼以上のアリサとカイの関係の展開と楽しめる要素はたくさん!
オススメです。
『第七王女は精神を病んでいて、現実と妄想の区別がついていない』と噂される、アリサ王女であったが、時折驚くような考えや知識を発揮することに気付いた王妃。
自分は転生者だといい、前世の話をしては、不思議ちゃん扱いされている模様。しかしそれを才能と考えた王妃が、アリサ王女の話を記録するためにその内容を書き留めさせることにした。
それが、この物語の主人公、カイ(僕)の仕事で、第七王女専属書記官という肩書である。
物語の視点はこのカイ(僕)の視点で展開されるため、アリサ王女(転生者)視点ではないのが一番の魅力。
個性的な仲間とともに繰り広げられる物語や、カイ自身の謎まで。
さまざまな伏線があり、それはお話が進むにつれて明らかになっていきます。そのしっかり作り込まれた世界観に、ハマること間違いなし!
普通の転生物が物足りない方、そうでない方にも、オススメしたい作品です!
※私は三部四章まで読み終わりましたが、まだまだ物語は続きます。
先にレビューさせていただきました。