第28詩 わからないんだよ

きみの幸せを願っていたはずだった

それなのに どうしてだろう

こんなにも 不安と悲しみが満ちてくる

いつも 何処かで寂しさを感じて

他人ひとの幸せを 表面では祝福してる

心の何処かで 羨みながら


きっとそれでいいんだと思ってた

わたしもいつか 笑えるんだと

それなのに 本当の笑顔にはなれなくて

いつも きみの姿を探している


他人の惚気のろけを聞くたびに 羨む自分が悲しくて

本当に笑えたのって いつのことだろう

寂しさも物足りなさも感じずに 笑えていた日が遠過ぎて

もう わからなくなってしまった


我儘な自分を幾つものベールで包んで仕舞って

隠して 忘れられたらいいのに


きみの幸せを願ってる

その気持ちに嘘はない

なのに きみの隣にいたかった

きみの手に触れたかった

きみの幸せの意味でありたかった


どうしたらいいんだろう 消えてしまったであろう恋

その曖昧な終わりは わたしを癒えぬ寂しさに突き落とした


何処かできみに出会えたら

きっとこう聞くしかない

“きみは今、幸せですか?”

その答えに わたしはきっと 偽りの笑顔で返すんだ

“よかったね”と


本当の気持ちをひた隠して

隠し過ぎて 自分でわからないんだよ

不器用過ぎる それを怨めど

もう 恋の意味すらわからないんだ


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