漆黒の空

D

プロローグ


目を開けるとそこは薄暗く何もない一室、 

俺は、頭がボーッとしていた。 

ここはどこだ?

確か、白龍会の幹部の男と密会の予定だったよな・・・・。


【白龍会とは、西で1番大きい組織であり、どこの組織も逆らうことができない。

逆らえば何をされるか分からないからだ。

だが、そんな組織と対等に渡り合える組織がある。

その組織は、青龍会だ。

青龍会とは、東で1番大きい組織。

白龍会と同じくどこの組織も逆らう事ができない。

このことから、西の白龍、東の青龍と呼ばれている。】

  

俺は、目を覚ましたが知らない所に連れて来られた挙句、椅子に縛られている状況だ。

状況は最悪、俺は殺されるのか?

それはごめんだ。

俺は、自分の居場所などが分かる手掛かりがあるかもしれないと思い辺りを見渡した。

周りに何も無かったが、地面は所々、

赤く染みのように染まっている箇所があった。

これは血痕か?

ここで誰か死んだのか?

などとを考えていると、ドアの向こうから足音が聞こえてくる。

俺は聞こえてくる足音に意識を集中させた。

その足音からして恐らく1人だけではない、

2人、いや、3人ぐらいの足音が向かって来てるのがなんとなく分かった。

俺は、逃げようと縄を解こうとしたが縄はびくともしなかった。

さらに足音は部屋の前で消え、その直後扉が開いた。

そこには男が3人、いや後ろに1人、計4人が入ってきた。

前3人は手下か?

その後ろには如何にも高そうなスーツを着ている男がいる。

と言うことは前の3人はボディーガードか。

俺は前3人の顔を見たが黒いサングラスをしていたため顔がはっきり分からなかった。

さらに視線を合わせないようにするため顔を下に向けた。

男達は俺の方に近づき、後ろの男が俺にこう言った。


男:「どうやら裏切り者が目を覚めたようだね」


俺はその男が言っている意味が理解できなかった。

男は何を言っている!

俺は男にどう言う意味か、聞こうと顔を上げた。

だが顔を見た瞬間俺は凍りついた。

 

主:「なぜお前がここに、

   いや、それより一体これはどう言うこだ!

   こんなことをして許されるはずがない」


男:「それは君もじゃないのかね?

   裏切り者君」


〔普段青龍会と白龍会はお互い接触することは禁止されている。

ただし緊急時、会議、の際は接触が許されている。

しかしそれ以外の接触行為は裏切り行為とみなすことになっている。〕


男:「君は、あの極秘情報の件について知って

   いるのか?

   あれは幹部クラスの奴等にしか知らないは

   ずの情報、どこで知った?」


俺は意味が分からなかった。

思い当たる節がない。

極秘情報?

そんな情報俺が知る訳がない!

誰かが俺を陥れようとしているのか!?

俺は今まで組織に忠実に動いてきた。

一体、誰が?何のために。

俺は状況を整理するため気持ちを落ち着かせようと必死だった。

そんな中俺は考え、そして2つの選択肢が脳裏に浮かんだ。


選択肢その1

何も知らない振りをする。

選択肢その2

知ったかぶりをして話を合わす。

俺は想像した。


選択肢その1

 

何も知らないと言い通した場合、

椅子に縛られてる俺は殴られるだけだ。


選択肢その2

 

知ったかぶりをする場合、

上手いこと誤魔化せれば問題ない、だが誤魔化せれなっかた場合、リスクがでかい。

さらに嘘をついたとみなされ殴られる事を考えたらどっちも同じだ。

だから両方を上手く使うしかない。


主:「あの情報をどこで知ったかって?

   なんで俺が知ってると分かるんだ?」


その瞬間男は鼻で笑った。


男:「なぜかって?

   自分の胸に手を当てて考えたらどうだい

   なんなら僕が説明してあげようか?」


俺は顔を顰めた。

なぜなら、全て見抜かれている可能性があるからだ。

俺は、完全に掌で遊ばれているのか?

さっき考えた選択肢が全く意味がない。

そんな俺の気持ちを露知らず男は話し続けた。


男:「前に会長からお前の行動には警戒せよと

   指示があった。」


俺は愕然とした。

どういう事だ?

俺は考えた、だが考えている余裕はなさそうだ。

なぜなら男が拳銃を向けている。


男:「終わりだね、元青龍会の天満和馬君

   これが青龍会の掟、裏切りもには、死、

  あるのみ、知らなかったとは言わせないよ」


そう言いうと男は俺をあざ笑うかのように微笑んだ。

俺は覚悟を決めようとしたが、やはり死ぬのは怖い。


「あーこんな事ならもっと贅沢しとけば良かったなって思っても遅いか、」


その直後に乾いた銃声が部屋中に響き渡った。

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