第29話 ~姉と弟の約束~
あの翌日で退院し、俺は引きこもっている愛美の説得をすることにした。
「おーい」
暗い部屋の中、もっこりと膨らんだ布団がビクッと震える。
伯父さんの家の一室。そこで布団に潜って体育座りで引きこもっている愛美。
とりあえず扉を閉めて近付き、ベッドの側のよ床に座る。
(あんなに優しくしてもらって、お膳立てものに……強くは言えないな……)
「辛い、よな……」
「帰って……」
かける言葉が薄すぎて拒否されてしまった。
「あんま気にすんなよ。人の言葉なんて。お前は俺達だけ見てれば――」
「よくない……! あたしは……一生こんな弱い自分を引きずって生きてかなきゃいけないのよ……」
彼女は完全にナイーブな状態になっていた。
膝立ちで彼女を抱き締めようと近付く。
「やだ……」
彼女はそのまたベッドの端っこに逃げる。
ナイーブどころか本当に怯えていた。
(はは、俺何やってんだ……)
そしてそのまま軽く五時間が過ぎた。
「…………」
黙ったまま、ただ彼女が話すのを待つ。
いつの間にか夜になり、お互いに空腹で腹を鳴らせる。
ノックが鳴るけど、俺も黙った。
階段を下りる音が聞こえ、部屋のドアを開けて夕御飯のお盆を二人分取る。
麻婆豆腐と白いご飯に杏仁豆腐。
彼女のには杏仁豆腐がプリンになっている。
(気遣ってくれちゃって……悪いな)
一つを彼女の側に起き、俺は片方のお盆の飯に手を付ける。
杏仁豆腐から一口だけ食べる。
(え、美味っ……これは)
手作りだった。
杏仁豆腐が。
そりゃそうだ。結衣といて作ることもないし買うだけ。市販の方が美味いもん。
空腹だからじゃない、多分……。
市販の物より二倍は美味い。
甘さも丁度良く、匂いも強いのにスーッと通るような……しつこくない。
弾力も強く……。
まさかと思って麻婆豆腐も食べる。
「はふ、もむ」
大体麻婆豆腐って手作りだと中華料理店の中でも選り好みしてしまう。
匂いが強いか弱いか辛いのか、具材は何か。個人の趣味によって変わってくる。
具は……牛ひき肉、いや豚もか?
と青ネギとこれは……にんにく。
(いや、その、あのさぁ……)
あの従妹には全部見抜かれてるのか?
そんなのずるいよ食べるの止まんなくなっちゃうじゃん!!
「うっ……」
泣いちゃった……。俺じゃなくて愛美が。
「ってえ?」
こいつもう食い終わってて笑う。
って喋っちゃったじゃん驚きすぎて。
俺は飯を食うのを止めた。
何時間も待って何も策を考えなかった訳じゃない。
前回前々回俺が悩んだ時に優しくされているのもあって、直球に言うのは可哀想だ。
でも彼女はこのままじゃきっと後悔する。
「お前が好きだ」
突然に告白してみる。
「…………」
いや無視かよ。まあ答えられないか今は……。
「一番だ二番だとか言っておいて……多分、俺、お前の命だけは一番諦められない」
「産まれてからずっと一緒にいたし、めちゃくちゃ大事な存在だ」
情を込め過ぎることなく、直球に伝える。
俺の言葉で……
記憶を彼女に見られているし、それは分かっているだろう。
だからこそ、ハッキリと言わなきゃならないことがある。
「お前、三上のこと好きなんだろ?」
布団の中の動きが止まった。
「そっくりだよな。無邪気な顔してるかと思ったら急に真顔で的を得た真実で見透かして……。でもその見抜いたことに
「やめろ……」
やっと喋った。だけど俺はやめない。
「やめない。俺がへたれた時は言ってくれたよな。きっといつかどうにかなるから……。それに俺は甘えてしまった」
息を飲み、覚悟を決める。
「そしてさっき俺は同じ誤魔化し方をしようとした。姉ちゃんみたいな責任に伴う強さも持ち合わせていないのに……」
「だから俺は、真実を受け止めて自分からお願いすることが一番大事なんだって気付いた」
「いやだ……」
彼女の声は震えている。
「俺もあいつのことは信頼してる。ただ……」
「やめてって……!」
枕を投げつけられる。
「ただあいつはあいつなりにすごい苦労してるんだと思う……。それも毎日。折れそうな位……」
俺の苦しそうな言葉に彼女は驚いた表情を見せる。
やはり愛美の前では気張っているんだな……。
それは今日、家で私服に着替えてここに向かう途中のことだ。
彼はイヤフォンを付けてジャージ姿でジョギングをしていた。
直前に何かあったのかと思えるほど暗い表情で……。
俺は思わず隠れて、その姿を見ていた。
その出来事を愛美に伝える。
「そんなことが……」
「それがお前のことか違うのかは分かんないけど、お前がいることで元気になる人がいるのは事実だろ……?」
頬を緩め、彼女に微笑む。
「俺だって優華と話す時、結衣が後ろ姿を見せる時、お前が三上と接してる時……ホールをくぐる時も怖いよ。めちゃくちゃ……」
彼女の身体的恐怖とは比べ物にならないけど、それでも彼女にはやれることがまだあるはずだ。
「今日、あの人の見舞いに行ったら面会拒否されたよ」
「え……?」
「金髪天然パーマの子がいないと会わせる顔が無いってさ……」
彼女の目を真剣な表情で見る。
「俺が結衣に謝ったように、一歩を踏み出すならここだ……!」
「で、でもそれで怖くなくなるなんて……」
「保証は無いけど、一緒に行くならお前の命は絶対に保証する……!」
「わ、分かんないよ! 結衣とかが人質に取られたら保証は出来ないじゃん!」
「どうしてもそうなったら……もしくは要である鈴の命が狙われたら……。人質にどうにかして不死身を付与して、お前を守りきる。そしてもう一度ケリを付ける」
「無理よ……」
「無理じゃない」
俺はキッパリと言い切る。
「お前がそのドン底から這い上がるんなら、覚醒だろうが俺は使いこなしてやる……」
自分の握り拳を見つめる。
「それに奴を倒しても終わりじゃない……。次は優華やあの墓守りや豪乱。ここで俺は立ち止まる訳にいかない……! だから――」
俺は息を飲み意を決して伝える。
「俺の目指す目標として、輝いてほしい」
布団から覗く彼女の瞳が光を見せ、潤んでいる。
「隣に並んでほしいんじゃなくて……一歩先を、がむしゃらに走っていてほしいんだ!」
「無理だから!」
大きな声で彼女は拒否する。
そんなに嫌なのか? 違う。そうしたいのに、彼女の影がやってもないのに出来ないと言っている。
彼女は他の誰よりも勇気がある。
先を無心で走っていける。目を離させてくれない位、皆の目には輝いて見えるんだ。
そして気付いたら勝利のトロフィーを我が物顔で掴んで、こっちに向かって走ってくるんだ。
満面の笑顔で……。
だから、今の彼女に必要なのは最初の一歩だ。
理由なんか何でもいい。
一歩を踏み出せば、二歩も三歩目も足取りは軽くなる。そしたら愛美は調子づいて笑顔で走っていく。そんな彼女を信じている。
「まずは一歩を踏み出すこと……。そしてお前がどうしたいかってことを頑張って伝えてる姿。それを俺は信じてる……!」
「負担よ……! プレッシャーよ……!」
震えた声でそう不満を漏らしつつも、笑いが溢れている。
「上等だよ。って今すぐにも駆け出したい。頭と手が同時に出るお前はそうだろ?」
布団を揺すると泣きながら笑う彼女は涙を拭っている。
「こんな良いお姉ちゃん振ったんだから……覚悟しなさいよね……!」
「ああ、死ぬまで。いや、地獄の果てまで姉ちゃんの弟だ。俺は……!」
俺の分の麻婆豆腐まで食い、外に駆け出す彼女を歩いて追いかける。
一階に下りると、愛理奈が残りの家事をしていた。
玄関のドアは強い音を立てる訳でもなく、普通に閉まった。
「伯父さん達は……?」
「ん……」
彼女はキッチンに向かいながら、右手を差し出す。
(あ……)
「すまな――」
「ふっ!!」
早く二人分の空のトレイを持ってこい。
その圧は怒った時の結衣と少し似ていた。
(ヒェッ……)
「仕方ないな……今回だけだよ」
あれれ? 取りに行こうとしてたけど、優しい。
「ありがとう……」
礼を言い、そのまま直帰しようとした時。
「ちょいまち、これ余り物」
彼女がタッパーの入った紙袋を渡してくれる。
「え……」
中身を見ると……先程の杏仁豆腐が入っていた。
「い、良いのか……?」
「だって私以外食べる人いないし」
真顔でそう答えられると、何か傷付くな……。
「ありがと……」
紙袋の持ち手を受け取ろうとするが……彼女は中々離さない。
「…………」
彼女の顔を見ると、若干不機嫌そうにこちらを凝視している。
「卑怯者、女の敵」
(こいつ……。行けると思ったヤツにはズンズン行くタイプだな)
「なに?」
そのままボーッとしていると睨まれる。
「い、いや……怒ってるよりもこの前の笑顔の方が似合うぞ?」
彼女はスッと真顔に戻る。これを一重に怒りによる殺気と言う。こともある。
紙袋をもらって急いでトンズラした。
*
暗い夜に広がる大海原。
俺はそこに一キロメートルはある炎の剣を振り上げる。
光の反射で海は黄色に染まっていた。
「おらあああァァァァッ!!」
しなる腕を振り下ろし、海を真っ二つに斬り裂く。
海底は月夜に照らされる。
だが、その海底は整えられた道になっていて奥には小さな遺跡があった。
時間がなかったのであまり聞けていないし分からない。
だが、五百年前の太平洋のど真ん中にこんな物があったらしい。
まあその後にプレートに巻き込まれて崩壊したそうだが。
海に埋もれた遺跡。ロマンがあるが、竜がいるのならばどうにかしなくてはならない。
最近の任務は近代の物が多く、安心する。
まあ奴が超古代に逃がしても、駒として生き残ってくれなければメリットが無いかもな。
剣の巨大化を解いて海底に着地し、遺跡に向かって歩くと地ならしが起こる。
左右の切断面から殺気を感じる。
しゃがむと、右面から巨大な赤黒いシャチ。
左面から水色の龍が現れる。
龍が蛇のように長い体を使って、シャチの胴体に巻き付く。
暴れるシャチを盾に、こちらを上から睨んでいる。
「離してやれ」
「何故だ……」
意志疎通が出来るようだ。
やはり人が作った遺跡に住んでいる。
ならば感謝の一つでもあるのだろう。
年代的には間違っていない。だが、ティアスの手を逃れている時点で奴が介入しているのは間違いないだろう。
「ここを襲った天罰を恨むのなら人違いだな。お前をここに送り出したのはここの神ではない」
「じゃあ本当の天罰か? 違う。じゃあ何故俺ら天崎が神の協力の元お前を迎えに来るのに、こちらに不利な憎しみを生ませる?」
出来れば対話で済ませたい。
「馬鹿馬鹿しい。全て推論ではないか」
「そうか? それが正しければお前は利用されていることになる。俺がここにいる理由にも辻褄が合うはずだが?」
ぐうの音も出ないのかすぐに反論してこない。
シャチは苦しがり、暴れているも龍の縛りが強すぎて動けやしない。
「離さなければ……一緒に眠ってもらうが、構わないな?」
居合いの体勢を取る。
関係ない命を弄ぶのは過去改編になるからやめてほしい。
「小僧が小癪なッ!!」
シャチをこちらに投げ付ける。
「はぁ……」
すぐさま左に移動し、龍の巻き付いた尻尾ごと海の方へ受け流す。
龍の噛み付きを上に避けるも、両手を繋がった状態で凍らされる。
長い胴が右側から薙ぎ払われるも、右足で軌道を逸らして受け流す。
「くッ……!」
そんな悔しそうにしちゃって……。
本気になれる位大事なのだろう。この場所が……。
刀を肘で抜刀し、浮かした柄を歯で噛み刀身に炎を灯す。
氷は段々と溶ける。
龍は凍てつく光線を発射してきたが、歯で咥えた刀で受け流す。
炎を帯びた刀身を凍らすことは出来ない。だが、俺の顔面から体は一瞬で凍り付いた。
「下らぬ……」
龍のその一言は寂しさを際立たせていた。
(やってやる……)
愛美にあれだけ大口を叩いたんだ。
今まで何度も失敗して無理だったのは分かっている。
愛美の泣き止んだ笑顔が浮かぶ。
(俺は絶対にッ!! やるんだああァァ!!!!)
――覚悟のせいか瞳はエメラルドカラーは強いオーラを灯す。
「終わりだ」
龍はシャチなど海に離し、長い尾先を彼に向かって突き刺す。
『パリィィィン!!』
氷は割れ血が巻き散る。
だが、巻き散った血は宙に集まる。天崎乱威智を形成しようとしたソレは……赤いオーラの何かを作り出す。
『まずいっ……!』
ティアスの声もしっかりと聞こえている。
だけど、ジーニズ。アイツを倒した俺達ならもっと互いを信じられる。
「な、何だ……」
龍も驚いているようだ。
お前らに固い決意があるのなら、俺達の信じる力と絶対にやり遂げる意思を見せてやる!
形成されたオーラは二つに分かれ、体が無事に形成される。
オーラは俺の髪の上を這い、二本の鬼の角となった。
俺の背中からマグマの触手が八本現れた。
触手を使って地面を這おうとしたが……。
「この地を汚すなッ!!」
龍は怒り、マグマを全て自身の長い胴を使って巻き取ろうとする。
マグマは俺の立体影へと変化し、それぞれの立体影は薄紫色に光った刀で長い胴を斬り刻む。
覚醒状態のまま意識を保ち、この力を使えたのは初めてだ。
龍の神経系に催眠毒が効いたのか、即座に倒れた。
耐性があればあるほど効くのは、排除しようとした細胞全てがこちらの味方をする。
「わたしがッ……!」
あれだけ喰らってまだ眠っていない……?
龍の頭上から魔方陣が現れるも、俺の二本の角が赤く光ったと同時に一瞬にして解かれた。
角は溜め込んだ覚醒段階までの力を操作し、結界を既に張っている。
今のところ第三覚醒までの力は操作出来るみたいだ。
愛美の前で発揮出来たあの力もいずれどうにかしなくてはならない。
龍は完全に眠ってしまったようだ。
俺は近付いて龍の頭に手をかざす。遠隔で記憶を見るよりも、記憶の共有保管場所を作る方が良い。
第三覚醒の力、接触海馬。
接触した相手との記憶の保管場所を新たに作る。
ジーニズの負担を減らす為の力なのだろうか……。
覚醒という力は、元あった力を補う物もあるということだろう。
数秒経ち、記憶の部分的共有が始まった。
予想通り、この龍はこの場所で人間や動物と暮らしていた。
ここが海に沈む前からだ。
森が生い茂る遺跡。
逃げてきた所を神として人間は崇めた。
だが、外から来た人間はその人間達を敷いたげた。
争う人間同士の戦いで森を一部燃やされるも、龍はそれでも怒らなかった。
失うことは一度経験している身であったから。
逃げた自分への天罰が下ったのだろうと考え、雨を降らせた。
だが、それは力が強すぎてこの地域一体が水に沈んでしまった。
優しい人間や動物が作ってくれたこの遺跡だけは守り続けていた……。
俺も星で起きたことの顛末の記憶を共有した。
これから起こるであろうこの龍の未来も。
龍も奴に回収され、酷い目に合う。
龍が目覚めるまでの一時間程、通信先の鈴や優華やティアスと駄弁ったり、覚醒の力の確認をして待つ。
かけられた通信の第一声が、遅すぎシスコン……。まあそうだけどさ。そうなんだけどさ……。
目覚めた龍は謝罪し、遺跡をどうにかしたいとだけ願う。
「うーん……」
俺も唸る。
待っている間、色々と覚醒の力の確認をしていたから角は生えっぱなしだ。
だが、そんな地形をまるごと移動なんて物は無い……。
『遺跡だけで構わないなら可能よ』
ティアスが軽々しく答える。そりゃ神様ですもん。そうですよね。
「ですよね……」
先祖の藤鈴さんのことを思い出す。彼は残りの力で過去の別の星へ飛んできた。名前にある鈴と覚醒の力。どちらのものなのだろうか?
もしくは……。
幾度となく空間にワープホールを開いた亜美を思い出す。
『ですよね。ではなくどうするの?』
「あぁ。
龍に問いかける。
「頼む……」
さっきとは打って変わって随分弱気だ。
その後は、遺跡ごと龍を星へと転送させてくれた。
ティアスも毎回毎回任務料はくれるけど、少し負担をかけさせているようで申し訳ない気持ちになる。
本人は全然気にしてなさそうだが……。
――竜をツムっとミニコラム――
ティアスは今日も機械化した世界の監視に問題が無かったかチェックをしている。
神とて人間の作った物を作ったり、自分なりに創造し直したりだってする。
あるものを使わないのは正直無駄だ。効率が悪い。
千年も生きていると、そうでもしないと脳の処理が追い付かなくなってミスが発生する。
それだけは最悪の事態。
勿論現実世界のメンバー等のチェックも忘れない。
優華はピンクの照明や服を着ていなかったので一秒見てパス。
未来の家庭を見る。
夕食前のお手伝いの箸並べを上の女の子二人が率先して行っている。
勿論向きはバラバラ。
(夕食前に何やってんのよ手伝いなさいよ……)
最近は学校の間面倒を見てもらえる施設が出来たようだ……。まあ能力者の子供なので施設作るように手配しなければならなかった。
まあ微笑ましいし問題ないので次。
「え……」
結衣と乱威智のアパートを見ると、二人はキッチンで熱いキスをしている。
『ほ、包丁は置いて……』
『あ、ごめんね』
(料理の邪魔をするな……)
問題ないので次。
(てか任務のお金でマンションでも買いなさいよ。買えるでしょ?)
任務料として無限にボカスカ銀行で発行させるのも今のうちだ。ちなみに当人の記憶や記録にも残らないし材料も器具消耗もしない。
もし彼らが現実的に不利な立場になるかもしれない。
その為にも重要なこと。
天崎家を見るも……料理の準備中にリビングにいるのは愛美と鈴以外。
風呂場を見ると鈴がシャワーを浴びている。
二階の愛美の部屋を見る。
「あっ!」
直ぐに別の部屋の視点に切り替える。
「ママどうしたの?」
ティナがこちらを気にする。
「あー、何でもないわ……」
(まだ十月じゃないのに。全く誰も彼も……)
「ねぇ、ママ」
「なあに?」
甘えた声で何かを頼みたいのだろうか?
「手作りのご飯って美味しいのかな?」
「…………」
視点変更を止め、彼女に向き直る。
「じゃ、これ終わったら作ってみよっか?」
「え、ホント!?」
嬉しそうに目をキラキラさせている。
(私がまともでいられるうちに、もっと愛してあげなくちゃ……。もしものことがあっても後悔の無いように……)
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