幕間【ギルドマスターの発狂】

ギルド本部の医務室にて怪我の治療を受けるアキハル。

両手と右足骨折、 顔面含む打撲数か所で包帯グルグル巻きになりベッドに横たわっていた。

他にも怪我を負った者達が大勢居る。


「何が有ったのですか!!」

「母上・・・っ・・・」


医務室にやって来たタソガレの見ようと視線変更して体が痛むアキハル。


「動かないで下さい!!」


医務室の医者が制する。


「・・・何が有ったのですか?」

「じ、 実は・・・」


―1時間前―


「えぇえええええええええええええええええええええ!?

嘘でしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」


ソレイユが部屋で声を挙げる。


「ど、 どうしたんですか・・・」


アキハルがソレイユに尋ねる。


「見てよこの新聞記事!! 四天王が勇者に倒されるですって!!」

「良い事じゃ無いですか・・・」

「良くない!! これじゃあギルドの立場が無いじゃない!!」


だんだん!! と地団駄を踏むソレイユ。


「お、 落ち着いて下さい・・・」

「こうなったら仕方ない!! 人材補強しないと!!」

「人材補強?」

「この間言っていたロダンと花子をギルドに入れる!!」

「断られたじゃ無いですか・・・」

「ギルドの力を駆使して無理矢理ギルドに入れる!!」

「如何やって・・・」

「そんな物ギルドの兵力を使って無理強いすれば良いでしょ!!」

「は、 はぁ!?」


アキハルが驚愕する。


「ちょ、 ちょっと待って下さい!! そんな事をすれば世間からのバッシングが」

「うるさい!! 黙ってて!!」


アキハルを殴り飛ばし壁に吹き飛ばすソレイユ。


「がはぁ・・・」

「何の音だ!?」

「失礼しますギルドマスター!!」


―現在―


「脅迫で無理矢理脅してギルドに入れる気です

ギルドマスターを何とかして止めないと・・・」

「・・・分かりました、 任せなさい」


タソガレは部屋から出た。


「副ギルドマスター!!」

「一体我々は如何すれば!!」

「落ち着きなさい!! ギルドマスターの癇癪が限界突破して

この様な暴挙に出る事は彼女をギルドマスターに据えてから

代々副ギルドマスター達の間で如何するか対策が考えられていた!!

直ぐに対応を始めますよ!! 直ぐにギルド全域に通達!!

ギルドマスターを何としてでも保護しなさい!!」

「了解しました!!」


こうしてギルドの騒乱が始まった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る