第157話【Darkstalker】

時間は少し遡り、 バンテージ達がテックのボロ小屋にやってくると

『只今作業中!! 邪魔するなかれ!! 依頼人は除く』と書かれた鉄の板が

ボロ小屋の戸にかけられている。


「作業中?」

「他の人の仕事を取ったって事?」

「・・・・・」


バンテージが鉄の板を殴り飛ばしてボロ小屋の中に入る。


「またお前達か!! お前達の仕事を受けんと言っているだろうが!!」


テックが怒声を浴びせる。


「俺達勇者の仕事を取らないで誰の仕事を取っているんだ?」


バンテージは怒りを抑えながら尋ねた。


「勇者シエンからの紹介じゃ!! 文句なかろう!!」

「何でシエンからの紹介の仕事は受けて俺の仕事は受けないんだ?」

「当たり前じゃ!! アンタ自分の姿を見た事が無いのか!!

包帯を巻いている怪我人じゃないか!! そんな実力でワシの武具を使いたいとは

ちゃんちゃらおかしいわい!!」


テックがまくし立てる。


「俺達が怪我を負っているのは回復役が居ないからだ」

「じゃあ回復役をパーティに入れるんじゃな!! さぁさぁ仕事をするから帰った帰った」


追い出されるバンテージ達。


「回復役か・・・回復役が居るのならばさっきすれ違ったロダンをまたパーティに・・・」






そして今に至る。


「つまり、 何ですか? 貴方達は武具が欲しいからロダンをパーティに入れたいと?」

「その通りだ」

「御話になりませんわ」


カリエが呆れる。


「ロダンを軽く見過ぎですよ、 そんな安い男じゃないですよロダンは」

「金なら払う」

「・・・・・如何しますロダン?」


カリエがロダンに問う。


「・・・・・」


ロダンが一ヶ所を見つめ始めた。


「如何しました?」

「アンデッドが居る、 ちょっと救って来る」


そう言って走り始め外に出るロダン。


「え、 おい!? 何処に行く!?」

「とりあえず追いますか」

「そうね」


カリエ達も後を追う。


「一体何が・・・」

「如何するバンテージ、 私達も負う?」

「そうするか、 行くぞ」


バンテージ達もロダン達の後を追うのだった。

ロダンが向かった先はテックが居る滝の付近だった。


「こ、 これば!!」


両腕が鈎爪になったアンデッド【ダークストーカー】が十数名居たのだった。


「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」


ダークストーカーはロダン達を認識すると無言でロダン達に襲い掛かった。

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