閑話【モルガナを迎えに行く為にルート構築をするゾイサ】
ジェスター教国に密かに建てられたソク家の前線基地と言う名の一軒家にて
ゾイサが自分に割り当てられた部屋で険しい顔をしていた。
ドアをノックされる。
「何だ?」
「マラカだ、 入るぞ」
「あぁ・・・」
マラカが部屋に入る。
「何だ、 まだ怒っていたのか」
「急造とはいえ、 この前線基地はあまりにも手狭過ぎる・・・
大公家の子息が居るべき場所ではない
寝具も固い・・・日の光も暴力的だ、 かと言ってカーテンで光を遮ると暗い」
「それ位我慢しなさいよ、 兵達はこのサイズの部屋で6人も詰まっているのよ
一人部屋になっているだけマシじゃない」
「もう少し広い部屋を作るべきだ」
「我慢しなさいよ・・・それに
これから私達は魔王の軍勢と一戦交えるかもしれないのよ?
命のやりとりするかもしれないのにこの位で音を上げて如何するの」
「ふん、 俺はさっさとモルガナを探しに出かけ、 ここを去る
そして家に帰るのだ」
「それにしては結構ここに居るじゃない、 何で? 口先だけなの?」
「馬鹿が、 下調べは肝心だ、 金だけはまさに腐る程有るからな
金をつぎ込んで人を雇ってルートを建築している」
「ルート?」
「モルガナを探す為のルートだ、 この高貴な身分の俺が向かうに値する道順
つまり馬車や宿屋、 飲食店等のリサーチ、 まずはジェスター教国全土を網羅してから」
「あー・・・その事なんだがな・・・」
マラカが言い難そうにする。
「如何した?」
「モルガナ、 見つかったよ」
(°Д゜)と言う顔で固まるゾイサ。
「見つかった・・・だと? 俺が探そうと色々調べている間にか?」
「意外とオープンだったわ、 ある街の武道大会に出場して一回戦敗退したらしい」
「ハッ!! 意外と大した事ねーな!!」
「でもその一回戦の相手は勇者よ、 しかも内容はまずまずだったらしい」
「勇者か・・・勇者なら負けても仕方ない・・・か、 まぁ良いや迎えに行こう
それで何処の街だ? ジェスター内か?」
「ジェスター内よ、 カレーの街って言う所」
「そうか、 ではカレーの街に行くルートを下調べしなければ・・・」
「え、 下調べするの?」
「当然だ、 この俺が行くのだからカレーの街へ向かう為のルートや宿屋
飲食店、 後服も・・・」
「・・・・・」
マラカは呆れて部屋から去って行った。
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