閑話【シエンの言葉】
オーギュスト王国、 王都アウグストゥス。
そこに位置する王城『八月城』に定期的な会合の為に集まるオーギュスト王国の勇者達。
「小生から話したい事が有るのだが宜しいか?」
「シエンから何かを話したいと言うのは珍しいじゃないか」
議題の口火を切ったのはシエンパーティのシエンである。
「実は先日、 ジェスター教国のターメリックの街に行って来たのだ
薬物汚染が酷いという話を聞いて」
「勝手にジェスター教国に行ったの?」
「それは不味いのでは・・・?」
勇者ヤガタと騎士フランベルジュが疑問を口にする。
「魔王に法が通じないのならば此方も法を破るのが常套だと思うが?」
「ドクから悪い影響でも受けてるんじゃないのぉ?」
【オーギュストの龍】リーダーがへらへら笑う。
「それはさておき、 その街でゾンビパウダーをばら撒いていたのは領主の女性だった
しかもその女性は留置所から脱走した、 魔王の手引きによって」
「ふむ、 それで?」
バンテージが包帯を弄りながら尋ねる。
「聊か行動が早過ぎる、 とは思わないか?」
「と言うと?」
「領主の女性は剣豪のスキルを持っていたが、 特筆して強いとか
ターメリックの場所が特別重要な場所と言う訳でもない
何かやらかして制裁の為に連れていかれたにせよ
あまりにも魔王側の行動が早過ぎる、 収監された即日に脱走だ」
「確かに聊か早過ぎる・・・」
「小生は何かしら魔王に意図があると目論んでいる、 しかし小生にはその知恵が無い
一体魔王が何を企んでいるのか」
「ふむ・・・」
考え込む一同。
「何処かに攻め込むつもりなのかも
アンデッド化させて兵隊にするつもりじゃないのか?」
「確かに留置所は血溜まりになっていたからなあり得ない話ではない、 か?」
「それは心配だな・・・他に何か有るか?」
「特には無いな」
「そうか、 じゃあ次は俺からだ」
バンメンが口を開く。
「俺はちょっとスカウトしたい奴が出て来たから暫く国を留守にする」
「スカウト? 一体誰だ?」
「話題になっていた花子とヒーラーだよ」
「話題?」
バンテージが首を傾げる。
「すげぇヒーラーが居るって噂なんだ、 お前等も誘ってみるか?」
「アンタの所の財力とじゃあ張り合えないからパスするよ」
「それが賢明だろうな」
ふふんとドヤ顔をするバンメン。
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