第97話【Neighbour】

撃ち続けるフギット。

しかしアモールの腕で阻まれる。


「もう、 落ち着いてよフギット

別にアンデッドになったからって君を殺すつもりは・・・・・

いや君も手足が無いしアンデッドになった方が・・・」

「寝言は寝てから言え!!」

「いや、 君だって手足が無くて不便してるじゃない」

「魔導義肢が有るから良い!!」

「でも偏見の眼も・・・」

「アンデッドになる方がヤバいだろうが!!」


次々と打ち続ける、 しかし炎魔石が尽きてしまった。


「くっそおおおおおおおお!!」


殴りかかるフギット。

しかしアモールに地面に叩き伏せられてしまった。

カリエも矢を放ち、 花子も短剣で応戦するも腕で阻まれる。


「ねぇフギット、 一緒にアンデッドになろうよ」

「ふざけるな・・・!!」

「ふふ、 ツンデレかな? 私もそうだった」

「何を言っているッ・・・!!」

「良いから、 私に任」

「ソク家戦斧術、 二の形【針銀】!!」


やって来たモルガナの攻撃。

針銀は斧頭を持って相手に直接刃を叩き込む技だが素手で再現すると抜き手技になる。

しかし破壊力はかなり高くアモールの腕を突き破って胴体に攻撃を叩き込む事に成功する。


「ぐはっ、 な、 何だお前!!」

「DeadEnd!!」


モルガナの背後から湧いて出て来たロダンのDeadEndで顔を切りつけられるアモール。

浄化され始め消滅する。


「え、 待って待って待って!! 消えたくない!! 消えたくない!!

やっと手足が元に戻ってフギットの隣に立てると思ったのに!!

やっとやっと元の関係に戻れると思ったのに消えるのは

嫌ああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・」


断末魔を残してアモールは消え去った。


「・・・アモール・・・」


目を伏せるフギット。


「フギットさん・・・・・」

「すまん、 一人にしてくれ・・・」

「・・・まだこの屋敷にはアンデッドが居ますし

一人になるなら外に行った方が良いですよ」

「・・・・・そうか・・・」


ふらふらと外に出るフギット。

カリエと花子も後を追う。


「ロダン、 他のアンデッドは何処だ?」

「モルガナ・・・少しは落ち着いてよ・・・

フギットさんの心境を考えて・・・」

「知らんわ、 アンデッドが居るならやっつける

それで良いだろう?」

「・・・それもそうか、 じゃあ行こうか」


ロダンとモルガナも部屋の外に出た。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る