閑話【家族会議・コウ家】

コウ家の話し合いは混迷を極めた。

まずコウ家の家にコウ家の分家筋全員が集まり議論を白熱させた。

イタチ・サメ・コウはコウ家の家長として具体的な説明がある迄

王家の要請を拒否し魔王との戦いを静観する事を提言し

コケ・ビラメ・コウは大公の責務として魔王との戦いに参入を提言した。


シロナの妻であるベルーガ・ナスチャ・コウは一歩引いた姿勢で待機する。

シロナの子供はイタチとコケの他は未成年の三男イッカク・マルイカ・コウのみであり

彼はまだまだ政治の事は分からない。

分家筋の者達はイタチに着くか、 コウに着くかの決めかねていた。


「とは言え我々は分家の中でも末席に近い気にする事も無いだろう」


コウ家分家筋のホソヌメ家の当主

ウナギ・ホソヌメは息子であるヒラマサに言った。

実際ホソヌメ家は家柄は大した事無い家だった、 武芸に優れた家柄だが

政治的に重要な事は無いのだ。


「うーん、 個人的にはモルガナが気になりますね」

「君はモルガナとは親しいのだろう?」

「ですね、 彼女が暴走しても驚きませんね」

「ふむ・・・君がモルガナを説得すれば戻って来るのだろうか?」

「さぁ・・・難しいでしょうね」


ヒラマサが外を見やると既に夜、 月でぶ妖精が登っている。


「もう納得が行かねぇ!! 殴り合いで決めよう!!」

「いやそんなで決められるかよ!!」「話し合っても埒が開かないだろう!!」

「だがしかし暴力で解決するのは」「魔王討伐なんて所詮暴力だろう!!」

「だからと言って貴族で有る我々が拳を振う必要は無い!!」

「貴族だからこそ前線に立ち拳を振うべきだ!!」

「戦いは男爵とかそういう連中にさせればいい」「なんだと!?」


話が煮詰まり暴論が飛び出し始めた。


「・・・・・皆様、 お部屋の用意が整いました

ここは一度お休みになられては如何でしょうか」


家令が煮詰まった状況を打破する為に休憩を進言する。


「・・・・・そうだな、 一度風呂に入ってからまた話し合おう」

「分かりました兄貴」


イタチとコケはその場から離れた。


「お腹空いたけど食事は用意してあるか?」「ビュッフェ形式になっております」

「楽しみにょー」「でぶ妖精にはあげません、 厨房の野菜くずでも漁ってなさい」

「賄い飯食べるにょ―」


グダグダとなりながらその日は寝る事になった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る