閑話【家族会議・ソク家】

ソク家一同は屋敷に戻った。


「だ、 旦那様、 分家の方々は・・・」

「知らん!! 中に入れるな!! 決定は後で伝える!!」


ダイヤはきっぱりと言い切った。


「しかし・・・」

「くどい!! これから家族会議だ!! 誰も中に入れるな!!」

「旦那さm」


バタン、 と部屋の扉を閉めるダイヤ。

そして部屋の中に向き直る。

部屋にはダイヤの息子、 娘達が座って待機していた。


「父上、 ご説明願いたい、 一体何が有ったのですか?」


ジルがダイヤに尋ねる。


「国の機密だ、 話せない、 しかし我がソク家は魔王を倒す事に決めた!!

その為の労力は惜しまない!!」

「ふむ・・・具体的には?」

「我が家は下界に前線拠点を設け積極的に干渉していくつもりだ!!」

「・・・父上、 確かに魔王討伐は重要な事ですが・・・

我が家がそこまで労力をかける必要がありますか?」


ジェダ・イト・ソクが不服そうな顔で尋ねる。


「安心しろ、 ショウ家からの支援を取り付けた」

「誠ですか?」

「それでは私とラッパ様との婚約も?」


パイがガタッ、 と立ち上がる。


「いや、 その話は後回しだ」


ガクッとするパイ。


「父上!! 前線拠点の司令官に私、 立候補します!!」


マラカ・イト・ソクが立ち上がり宣言する。


「やる気の有る事は良い事だ」

「父上、 前線拠点等前に出るのは良い事です

しかし、 やる事が他にも有るでしょう」

「やる事・・・?」


ジルの言葉に首を傾げるダイヤ。


「モルガナの事です、 彼女を一体如何するつもりですか?」

「・・・奴か・・・放置するには惜しい・・・連れ戻しに行かねば」

「誰が?」


沈黙する一同、 モルガナに対してぞんざいに扱って来たのだ

モルガナを無理矢理連れて来る事になるだろう。


「ジル兄様が行けば良いのでは?」

「私が? 長兄の私がか?」

「兄様は人格者ですしモルガナにも嫌われていないかと」

「い、 いやジルはこの中では一番の実力者だ!!

早々に出す訳には行かない!!」


ダイヤが慌てて制止する。


「ならば俺が行きましょう」


ヒデナ・イト・ソクが立候補する。


「・・・・・成人もしてないお前が行くと? 正気か?」

「ふっ、 女一人、 連れ帰って見せますよ

枕を高くしてお待ち下さい」

「ふん、 ではお前に任せる、 では行って来い」

「俺一人では無理です、 手下を下さい」

「・・・分かった適当に分家からメンバーを見繕ってやろう」

「ありがたき幸せ」

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