閑話【王との謁見】
おでぶ城の玉座の間に辿り着いたショウ家一行。
他にもミ家、 ソク家、 コウ家、 そしてその分家筋の者達全員が集まっている。
「凄い大人数だな・・・」
「分家も合わせれば100人は軽く超すな・・・」
誰かの呟きが聞こえる。
「ジェスター教国、 国王ジェスター5世陛下!! 御入来!!」
ファンファーレが鳴ってジェスター5世が現れる。
大公家、 及び分家筋が一斉に頭を下げる。
「頭をあげて良い」
ジェスター5世が呟く。
一斉に頭を上げる大公家、 及び分家筋。
そしてジェスター5世が玉座に座る。
「ねぇねぇ、 さっきの何で余の名前は呼ばなかったの?」
下膨れの二頭身の王冠を被ったキングでぶ妖精がにゅっと現れ尋ねる。
「おでぶちゃんは良いから」
「にょん」
キングでぶ妖精はジェスター5世に掴まれでぶ妖精用の玉座に座る。
キングでぶ妖精はとても長生きでジェスター特別区の成立のずっと前から生きている。
「それで陛下、 今回はこんなに大勢呼び出して一体何の発表ですか?」
シロナが尋ねる。
「うむ、 実は教皇から託宣が出たとの知らせだ」
「!!」
騒めく一同。
託宣とは神からの通達である。
滅多に有る物では無く伝説ではないかと言われている。
「真実ですか?」
「無論だ、 神から直接のメッセージが教皇の体中に痣になって現れた」
その光景にゾッとする一同。
「その託宣によると魔王との戦いは甘く見積もっても
後2年弱で決着するという予言だった」
「後2年・・・? ど、 どういう事ですか?」
「魔王達は2年の内に全面戦争を仕掛ける、 と言う事だ」
騒めく一同。
「つ、 つまり・・・我々はそれに備えなければならない
そう言う事ですか?」
ダイヤが尋ねる。
「うむ、 しかし神は唯宣告をするだけでは無い
我々に助けとなるスキルを与えている
特に必要になるスキルは三つあるらしい」
「必要なスキル・・・それは一体・・・」
「まずは【勇者】これは既に下界には大勢居るから問題は無い
問題は次の二つだ、 どれも聞き覚えのスキルだ」
「それは一体・・・」
「【Martyris】と【ラテン語】だ」
大公家の者達は一斉に動揺した。
ラテン語はモルガナが取得したスキルじゃ無いか!!
しかしモルガナは既に追放されている・・・一体如何すれば・・・
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