第39話【Sprint】

るんるん気分で山を道なりに下りるロダン。


「♪~♪~」

「ご機嫌だなぁ」

「やっぱり外は良いねぇ、 のびのび出来るよ」

「そうか、 それは良かったな」

「街に行ったら何をやろう」

「まずは金を集めないとな、 金が無ければ人間社会では何も出来ん」

「そうだね、 じゃあまずはギルドに行って仕事探すかなぁ」

「それが良いんじゃないのか?」

「じゃあそうしようか、 デッドも手伝ってね」

「絶対に嫌だね」

「しょんにゃあー」


(´・ω・`)としょぼくれた顔になるロダン。


「そんな顔しても駄目だっつの」

「ちぇー・・・!?」


歩いていたロダンが急に止まった。


「如何した?」

「大怪我してる人が居る!!」

「は? 何処だよ?」

「こっち!!」


ロダンが急に横に向けて走り出した。

道を外れて急斜面をずざざざーと滑り降りながら走る。

相当無茶な事をしている、 一歩間違えば大怪我である。


「ほら!! あそこ!!」

「何処だよ」


ロダンが指を指した先には門が有った、 如何やらダンジョンの入口らしい。


「別のダンジョンが有ったのか・・・で怪我人っていうのは」

「だからこっちだって!!」


走るスピードを上げて半ば転がり落ちる様に前に進むロダン。

そして地面に激突し、 ダンジョンに向かって全力疾走を始める。


「ダンジョンの中に居るのか?」

「一々五月蠅いよ!! 一刻の猶予も無いんだ!! お願い!! 間に合って!!」


そう言ってダンジョンの中に突入するロダン。

ダンジョンの中にはワイヤー等が見える。


「おい、 これって罠」

「構うか!!」


罠を全て作動させながらダンジョン内を強行するロダン。

当然ながらダンジョンの罠がロダンを襲う。

棘の罠、 矢の罠、 虎バサミ、 様々な罠がロダンの体を抉り

仕込まれた毒がロダンの体を犯す。


「お、 おい!! 体が」

「!!」


ロダンが目を見開くとロダンの体が光に包まれる、 恐らく回復魔法なのだろう。


「え、 回復魔法を使えている・・・だと?

しかもこれは・・・」


ロダンは片足が吹っ飛んだ、 それでも回復して足が生えている。


「何という回復力・・・」

「ちょっとそこの人達邪魔!! 退いて!!」

「え? うわ!?」


ロダンは向かい側から走っている三名の人に絶叫をしながら通りすがる。

三人は呆然とロダンを見た。


「・・・なんだぁ? 今の?」

「そんな事より早く逃げよう!! 奴が来たら終わりだよ!!」

「あ、 そうだな!!」


三人は出口に向かって走るのを再開した。

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