幕間【クラウン公国の勇者達】

クラウン公国のカップ大草原にやって来たクラウン公国の

パーティ【栄光の冠】リーダー、 カヌーは仲間達と共に目的地に向かっていた。


「あの・・・勇者様? 私達は公国の勇者会談に来たんですよね?」


剣聖のモーターが不審そうにカヌーを見る。

彼女はそばかす交じりの少女で一見すると村娘であり実際村娘であった。

その為、 貴族の常識に疎い面が有る。


「まぁ最初は誰でも困惑するよね」

「私も困惑しましたよ」


聖女のエアラインと強弓のシーラインの双子の姉妹がそれぞれ言葉を紡ぐ。


「この大草原はね、 スリム公爵の私有地なんだ」


カヌーは口を開いた。


「スリム公爵は勇者でも有るからね、 会談の場所にここを何時も指定しているんだ」

「・・・何でお城じゃないんですか?」

「スリム公爵を見れば分かるよ、 それよりも君の手作りお菓子は用意しておいた?」

「はい、 でもお菓子って何に使うのですか?」

「それはね」

「ストップにょー」


突如3mクラスのでぶ妖精に止められるカヌー達。


「ココから関係者以外立ち入り禁止にょー」

「カヌーだから関係者だ」

「じゃあ入って良いにょー」

「御苦労様、 モーター、 お菓子をあげてあげて」

「あ、 はい」


お菓子を一つでぶ妖精にあげるモーター。


「むーしゃむーしゃ、 おいしいにょー」

「どうも・・・」


そしてカヌー達が進むとそこには沢山の巨大なでぶ妖精達が居た。

でぶ妖精達で寄り集まっている様だった。


「・・・・・な、 何です? これは・・・」

「カヌー君、 いらっしゃい」

「おー、 来たか―」


巨大なでぶ妖精かと思ったらそれは

でぶ妖精にもたれかかった丸々太った男だった。

それも四人。


「スリム公爵、 お久しぶりです」

「こ、 この人がスリム公爵ですか?」

「その通り、 世界最重量の勇者パーティ【レストラン・スリム】

それが私達だ」


ドヤ顔をするスリム達。


「君達が来るまで待てなかったからね、 先に始めていたよ」


よく見るとお菓子や焼いた肉等沢山の食べ物が有った。

でぶ妖精やスリムの仲間達が食べている。


「そうでしたか」

「君もでぶ妖精に座って食べたまえ」

「頂きます、 あ、 そうだ、 こちら僕の婚約者のモーターです

モーター、 ご挨拶とお菓子を」

「あ、 は、 はい、 モーターです、 よろしくお願いします!! こちらお菓子です!!」


そう言ってお菓子を手渡すモーター。


「むーしゃむーしゃ、 おいしー」


スリムはでぶ妖精のリアクションでお菓子を食べていた。


「そう言えばもう一組のパーティは・・・」

「もう帰ったよ、 何でも急ぎの用事が有るとか」

「そうでしたか、 折角の会談なのに・・・」

「まぁ良いだろう、 最近は平和だからね、 でぶ妖精も丸々太る」


そう言って自分がもたれかかるでぶ妖精を撫でるスリム。


「にょ~♪」

「おーよしよし」

「相変わらずでぶ妖精お好きですね」

「そうだな、 じゃあ今回も御飯を食べて解散で良いかな」

「そうですね、 私も婚約者を見せられましたし、 良いですよ」

「これで良いのかな・・・」


モーターがしゅんとする。

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