第27話【Meditation】

ロダンは今までのやり方ではいけないとじっくりと考える事にした。


(・・・剣だけでは駄目、 では魔法は如何だろうか?)


魔法は回復魔法、 剣で削りつつ回復魔法を使い続ける。


(・・・・・むむむ・・・厳しい・・・か?)


天使は槍を使う、 がこの前の様に小刀の攻撃の様な

また何か新しい戦術を隠し持っているかもしれない。

少なくとも一割も体力を削っていない内に新しい攻撃パターンを出すのだから

かなり多彩な攻撃を持って居る筈

何か、 何かしらヒントが欲しい。


「うーん・・・」

「悩んでいるなぁ、 若人よ」


にやにやとデッドがロダンに声をかける。


「デッド、 僕は天使さんを倒せるかな」

「倒せるぜ」

「ほんとぉ?」

「ホントホント、 デッド嘘吐かない」

「うーん、 でも倒せる気がしない、 倒すつもりだけどさ・・・

天使さんってまだ本気を出していないよね?」

「お、 考えているなぁ、 お前の予想通り、 天使の奴は全く持って本気を出していない

本気を出したらお前はやられるだろうな」

「そんなに凄いの?」

「凄いぞ」

「やっぱり搦め手かなぁ・・・何か方法は無い?」

「ヒントを言おう」

「おぉ?」

「既にヒントは出ている」

「えぇ?」


ロダンはがっかりしている。


「禅問答か何か?」

「良く思い出すんだ」

「思い出す・・・かぁ・・・」


ロダンは思い出す、 一番最初の記憶を・・・


『んー・・・ここは何処だ? 僕はロダン』

『やぁ私は天使』

『俺はデッド』

『ここはダンジョンの最深部』

『天使を倒さないと出れないぞ』

『さぁ来い!!』

『分かった、 行くよー』


剣を持って天使に向かうロダン。

思い返してみると意味が分からない。


「何で僕は記憶を失っているの? 何で天使さんを倒さないと出れないの?」

「それ以前に疑問を抱かずに速攻で天使に喧嘩売るのも可笑しいと思うけどな」


ジト目をしながらロダンを見るデッド。


「我ながら単純な性格だなぁ・・・」


しみじみするロダン。


「何しみじみしてるんだよ・・・」

「ロダンー、 御夕飯出来たよー」

「あ、 もうそんな時間か、 今行くよー」


ととと、 と移動するロダン。


「まぁあの位の性格の方が良いのかもしれんが・・・

時間はあまり無い、 何とかしてくれないとな・・・」


ロダンの背中を見ながら一人愚痴るデッドだった。

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