第25話【Revelation】

ロダンがステータスを出して奇妙な踊りを踊っている。


「何をしているの?」


天使が尋ねる。


「スキルの欄を見たいんだけど・・・」

「スキルはこうやってこう」

「こう?」

「こうこうこう」

「こう?」

「いやここをこうしてこう」


天使の適切で分かり易い解説でスキルを出す事に成功したロダン。


Skill

【Martyris】

【ラテン語】

【薬師見習い】

【熟読】

【人体解剖学】


「・・・この間よりスキル増えてない?」

「頑張ったからねぇ」

「頑張るとスキル増えるの?」

「普通は増えないけど、 君は普通じゃないからね

頑張りが並じゃない」

「そうなんだ、 普通は如何やってスキルを手に入れるの?

僕は元々持っていたんだけどさ」

「うーんとね、 教会で成人の儀をやるとスキルが貰えるのよ」

「成人の儀ねぇ・・・覚えが有る様な、 無い様な・・・」

「成人の儀は色々と国毎や身分毎に差異が有るから、 ムツカシイのよね

人間の作法って言うのは良く分からないから説明しない」


きっぱりと言う天使。


「作法ねぇ・・・」

「国は愚か身分ですら成人と認められる年齢にも差異があるから」

「ちょっと可笑しいんじゃないの? 国はまぁ分からなくも無いけど

身分で成人年齢が変わるって言うのは納得が行かない」

「そうでも無いよ、 例えば村人とかそう言う人は早くから大人達の仲間入りをして

家計を助けなくちゃいけないから成人になる年齢は早く

逆に貴族とかは一杯勉強してから成人になれば良い、 という考えから

成人になる年齢は遅い、 というのが一般的ね、 何だかんだ言って解説しちゃったよ」

「分かり易くて助かるよ」

「それから偶に生まれた時からスキルを持っている人も居るよ」

「へぇー、 羨ましいかな」

「逆に持て余しそうな気もするけどね・・・」

「そうだね・・・所で天使さん」

「何?」


真剣な顔で尋ねるロダン。


「僕は結構剣の練習をしているし凄い頑張っている

にも関わらず未だに剣のスキルを得られないのは何で?」

「それは君には決定的に剣の才能が無いからだよ

努力は素晴らしいけど努力全てが報われる訳じゃない事を君は学ぶべきだ」

「・・・・・それでも剣を頑張って振るよ僕は」

「それが良いね」


ロダンの頭を撫でる天使。


「勇者とかそういうスキルが欲しいなぁ」

「それは贅沢」

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