勇者になって【四十八日目】

『そろそろ魔王城に着くな、聖龍、ありがとうな』

『いえ、魔王様に助けてもらった、御恩は忘れません。少しでも助けになれば本望です』

『そんなにかしこまると、びっくりするよ』

『あの、私も魔王城に行くんですか？』

『いやか？』

『いえ、嫌というか。そのなんのために連れてくのか教えて欲しいというか』

『友達だから、あと報酬の件もあるし。せっかくだからもてなそうと思って』

『ええ、わたしってもてなされるんですか？！……あのドレスコードとか分からないんですけれど』

『……』

『ちょっと……魔王？聞いてます？』

『うん？ああ悪い、一応………お前らだけに伝えとくわ『――――――――』。分かったか？』

『魔王様？！大丈夫なんですか？それ！？』

『ちょっと、それ、私に喋っていいの？！』

『誰にも言うなよ』

多分、これで大丈夫なはずだ。

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