96日目

 母ちゃんの怒鳴り声でいつも目が覚める。

 その声は直接俺に掛けられるものじゃない。


 弟が下に3人いる。母ちゃんに世話をかけるわんぱく小僧どもだ。


 まぁ、ともかく今日もそうやっていつも通りに俺は朝を迎える。


「いただきまーーす」

 朝飯の食卓はもう台風かと言うくらいだ。


「うめー、でも前に兄ちゃんが獲って帰った猿もうまかったなー

 兄ちゃん、また獲って来てくれよ」

 俺は、首を横に振る。

「ばーか、ありゃ兄ちゃんの嘘じゃわ。豚かなんかの肉よ」


「えーそうなんか? 」


 そうして、学校に飛び出す様に向かう。


 日常だ。


 いっつものたいっくつな毎日の始まりだ。

 うんざりする。


 うるさい弟達が居なけりゃもっと落ち着いた日常だろうし

 家が金持ちだったらふっかふかのベッドで目覚めてトーストの朝飯って日常もあるんだろう。

 なんで、俺はこんなとこに産まれちまったんだろうな。


 こんな日常なら誰かに交換えてほしいもんだ。

 昨日はなんか、クラスの女子にキレられるしよ……



――異世界転生まで

  あと4日――

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