44日目
「あ~~~‼ ゲシュタルっとたわ~」
姉はそう言うとお手上げのポーズでそのまま後ろに倒れた。
だが、その様子に反応しなかった事が面白くなかったのか。
「ねぇ」と姉は起き上がると俺の肩を掴む。
「今、忙しい。止めて」
「……あの小娘に感想をそんなに送ってるのね……いやらしい」
姉は、顔を後ろから近付けてパソコンのモニターを睨む。
いやらしいって……。
「好きなの? 」
「え’’‼ 」
思わず、勢いよく振り返ったから互いの額がぶつかり、目の前に火花が舞った。
「うぐぐぐ……ご、ごめんねえちゃん……」
とりあえず、先に謝っといた。恐らくいや確実に追撃がくるのは予測できていたが……。
「……ばっかみたい……」
拍子抜けする……いや、被害が無い事は良い事なのだが……
姉は、でこを押さえながらそれだけ言うと足早にタブレットを空いたもう一つの手で持って部屋を後にする。
「……あれ? 」
拍子抜けだったが、儲けものだったとしか思わなかった。
――異世界転生まで
あと56日――
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