22日目

「まって~~」

 そんな声が聴こえたのは、いつもの帰り道を自転車で走らせている時の背後からだった。

「へぇへぇ」と息をあげて彼女がフラフラと自転車を漕いで近付いてきた。

「ど、どうしたの? 」俺は驚いて彼女に問う。


「へ、へへへ。丁度校門のところで君が見えたからさ。

 な、何とかアタシでも追いついた……まあ、その分体力は消耗しちゃったけど」

 彼女の回答は、どうにも質問と当て嵌まっていないように思う。


「一緒にかえろ? 」


 そう思っていたからだろうか。不意打ちの様に、真意を伝えられて思わず「ええ?? 」と聞き返してしまった。


「ね? ……ダメ、かなぁ? 」

 本当になんというか。


 その顔は、きっと世界一かわいいと思ってしまうんだ。


――異世界転生まで

  あと、78日――

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