19日目

「ダメだ。くそ変だ」

 俺は、姉の方にタブレットを突き返す様に渡した。


「はぁ? はぁあぁあああ~~~(*´Д`)??

 なんでよ‼ あんたの言う通りキスシーンカットしたじゃないの‼ 」


 姉は、すごい剣幕で勉強椅子から詰め寄った。

 だから、下着を付けろって。せめてそのダボダボの部屋着の時は‼


「うぅぅ~~ん。何というか、ひょっとしたらこの展開を姉に勧めた俺が間違ってたんかなぁ。

 なんつぅの? 昨日の展開はもう。ホント。ヤバいって感じで。それに比較して確かに今日のはその辺を押さえているんだけど……

 笑えもしないし、ゾッともしない……

 親友で仲間が食われてるのに? なんで?? 」


 本当、正直な意見だった。

 なんでそうなるのか理由が全く分からなかった。


「何よ‼ それ‼

 ふざけんじゃないわよ‼ あんたが『絶対に人気が出る』要素だって言うから入れたのに‼ 責任取んなさいよ‼ 」


 姉が、ずいずいと凄んでくる。

「せ、責任?? 」

 姉は、グイッと人差し指を俺の鼻先に突き刺した。

「汚っ」すぐに引っ込めてティッシュでゴシゴシとされる。ちょっと傷つく。


「あんた、明日までに人が食われる作品の手本を書いて読ませなさい」


 俺は、眉を傾けて「はぁ? 」と聞き返す事しか出来なかった。


「じゃあ、そういう事でね‼ ぜひとも楽しみに待っておくわ‼ 」

 そして、それだけ言うと姉は悪徳令嬢が如く立ち去って行った。


――異世界転生まで

  あと81日――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る