第102話 ゲート部屋の準備

俺は王女様を部屋の外に待たせ、ヘインチェちゃんとゲート部屋の準備を行う。


エリーザベトさんが周囲の警戒、カチヤがフェリーネ王女のお相手。


「あの、何をなさっておいでなのですか?随分と警戒されていますね。」


「それは申し訳ありませんが、今は言えませんの、ごめんなさい。」


「カチヤさん、別にいいのですよ。ただ、気になったものですから。ええ、単純に興味がある、と言うべきかしら?購入した家の一室で、必ず同じような事をしていれば、誰でもそう思いますよ?」


部屋の外でそのような会話が聞こえるが、流石に汚い部屋では嫌なので、ヘインチェちゃんと最低限綺麗にしている。


ある程度して綺麗になったので、ゲートを置いて行く。


そして、順番に使用してみる。


一通りやってみて、成功したのを確認し、今度は別の街へ行けるゲートを置いて行く。


万が一があれば、このゲートが生命線だからな。


え?万が一って何だよって?


万が一は万が一。想定外の出来事が起こるかもしれないからな。


一応、咄嗟に移動できるよう、3人それぞれにゲートを渡す。


万が一があれば、各々このゲートで逃げるのだ。


え?何から逃げるって?


そりゃあ・・・・何だろう?


まあ、用心に越した事はない。


何せ今から・・・・明日?会う人物は、この国のトップ、王様だからな。


機嫌を損ねてしまえば、殺されるかもしれない。


そうなる前に逃げるってやつだ。


上手くいったので、ヘインチェちゃんに一つ渡し、カチヤとエリーザベトさんに来てもらう。


「準備はできた。万が一があるから、各々ゲートを持ってて。何かあれば、躊躇わず逃げるようにな。間違っても誰かを助けようと考えない事。」


共倒れとかあるから、何度もくぎを刺す。


こうして準備が整い、ギルドへ戻る。


戻ると、子爵様と王弟様は意気投合していた・・・・

身分的にはかなりの開きがあるんだけどね。

まあ、身分の高い王弟様の機嫌がいいから、いいのだろう・・・・


戻ると、フェリーネ王女が、


「本当にあの家で宿泊されるのですか?こう言っては何ですが、寝具すらまともに揃っていませんよ?」


「ああ、気にしないでくれ。まあ、色々あるから。」


「マジックバッグですか?いいですよねあれ。王族でもあまり持っていないので、私達は3姉妹で一つだけ所有しているのですよ?」


・・・・結構ダンジョンやガチャで獲得してるけど?


そう思ったけど、口に出しては


「よく分からんが、そんなに貴重なのか?」


「ええ、勿論ですよ?冒険者もそうそう取得したカバンを手放しませんから。ただ、手放せば大金が転がってきますから、2つ目を取得した場合に売る事が多いようですね。」


まあ・・・・複数持っててもあまり意味がないか・・・・


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