54日目 ツンデレと寂しがりや

ある休みの日、アゲハとナズナは買い物に行っていた。


〈ナズナ〉ところでさ、最近生徒会のほうはどうなの?


〈アゲハ〉え?普通だよ?


〈ナズナ〉え~、つまんない!こっちは放課後とかアゲハがいないから寂しいのに!私が寂しがりやなの知ってるでしょ?


と、ナズナはふてくされていた。


〈アゲハ〉あ、ごめんごめん!今度は一緒にかえろ?


〈ナズナ〉本当に?


〈アゲハ〉うん。本当に


〈ナズナ〉でもアゲハ生徒会に入って少し雰囲気変わったよね?昔はもっと可愛げのなく、傲慢で、ツンデレだったのに(今もツンデレやけど)


〈アゲハ〉な!なんですって!?フンッ!私べつにツンデレじゃないし!べつに好きで生徒会に入ったつもりないから!


アゲハは照れながら手を組み、否定した。


〈ナズナ〉ふふふ(やっぱりそこはまだツンデレなままか)


〈ナズナ〉本当に?最初生徒会に絶対に入ってやる!って意気込んでたよぉ?


〈アゲハ〉そっ!そんなんじゃないし!べつに意気込んでないわよ!たまたまそう見えただけでしょ!ナズナ!早くお店行くわよ!


〈ナズナ〉はいはい(かわいいな~❤️)


〈アゲハ〉そういえば、あんた今日どこ行きたいの?


〈ナズナ〉わたし?わたしはね、本屋よ、新刊があるの


〈アゲハ〉じゃあそこいきましょう


〈ナズナ〉はい!はい!


〈アゲハ〉ナズナ、「はい」は一回よ


と、アゲハは怖い目でナズナをみた。


〈ナズナ〉は、はい


ナズナとアゲハは本屋に向かった。そうナズナのお気に入りの本屋に。


二人は本屋についた。すると、アゲハが目を丸くしている。


〈アゲハ〉な!なによ!ここは!?


〈ナズナ〉え?アニメイトだよ?知ってるでしょ?


〈アゲハ〉いや、知ってる。知ってるけど!普通の本屋かと思ったわよ!


〈ナズナ〉へ?普通の本屋じゃん?


〈アゲハ〉はあ~!忘れてた、あんたはアニメとか漫画とか好きだったわね


〈ナズナ〉今さらなにを?


〈アゲハ〉もういいわ、いきましょう


そういうと、二人は本屋に入った。


〈アゲハ〉ナズナ?なに買うの?


ナズナの声が聴こえない。


〈アゲハ〉?ナズナ?


と、振り替えるとナズナはいなかった。どうやら、入ってすぐ、お宝を探しに消えたようだ。


〈アゲハ〉は?なんなの!?またなの!?一言ぐらい言ってから消えてよ!


アゲハはナズナを探した。すると、2階のTL漫画コーナーにいた。


アゲハは声をかけようと思ったがやめた。理由は恥ずかしいから。


ナズナの目が、まるで千里眼のような目をしている。


声をかけるなんて、恥ずかしい。それと、少しあのまま、楽しませておくか。


そう思ったアゲハは1階に戻り、雑誌コーナーで雑誌を読むことにした。


読んでいると、後ろから声をかけられた。


〈ナズナ〉アゲハ!


〈アゲハ〉っ!ナズナ!?


〈ナズナ〉アゲハ!帰ろうか!


〈アゲハ〉ちょっとまって!あんたね!勝手にいなくならないでよ!心配するでしょ!一言ぐらい...


〈ナズナ〉ゴメンって!今度は言うから!


〈アゲハ〉その何度はいつの何度かな?前も言ってなかった?


〈ナズナ〉そうだっけ?ははは...


〈アゲハ〉ははは、じゃないし!


〈ナズナ〉ごめん!本当に今度から言うから!


〈アゲハ〉しょうがないな、まったく!さあ行こう


〈ナズナ〉うん!


二人は本屋を出て、近くにあるショッピングの中にあるベンチに座った。


二人は、アイスを買った。今日は少し暑かったからショッピングの中にあるアイス屋でアイスを買っていた。


アゲハはチョコレート、ナズナはストロベリーを買った。


食べているとナズナがアゲハに尋ねた。


〈ナズナ〉ところでさ、アゲハ


〈アゲハ〉どうした?


〈ナズナ〉さっき心配してくれたの?私の事


〈アゲハ〉えっ!?そんなわけ!ちがうわよ!そんなんじゃない!


また、アゲハのツンデレモードが始まった。


〈ナズナ〉まあ、でもありがとう!まあだから信頼して探しに行けるんだけど


〈アゲハ〉だから!べつに心配なんてしてない!


〈ナズナ〉そういえば、アゲハってこういう本とか読まないよね?


と、ナズナはBL本を出してアゲハを見せつける。


〈アゲハ〉な!興味ないだけよ!


〈ナズナ〉そっか!


〈アゲハ〉そ、そうよ!


〈ナズナ〉アゲハ...さっきさ


ナズナはいつもより真剣な顔で話した。


〈アゲハ〉なに?どうしたの?


〈ナズナ〉アゲハさ、さっき私がティーンズラブコーナーのところに居た時、なんで声掛けなかったの?


〈アゲハ〉え!?なんでって...ていうか気づいてたの?


〈ナズナ〉あはは!私のBTL真千里眼を舐めてはこまりますな~


※ BTL真千里眼とは、BL・TL漫画のいい作品・新刊を探す際にナズナが使う千里眼の上をいく真千里眼。ナズナの技だ。目を鷹のような眼をすることによって発動する。


〈アゲハ〉うわ、きも


〈ナズナ〉それ親友に言うセリフ?


すると、アゲハは立ち上がった。


〈アゲハ〉それに!べつに!少しほっとけばすぐ帰ってくると思っただけよ!それに、そんなキモい眼をしてる人に声掛けられないし!


〈ナズナ〉ふーん。そっか...(気を使ったのかな?まあでも今までにない考えね。昔ならもっとアクティブだった。いなくなると、見つけては手を引っ張ってその場から離れようとする)


〈ナズナ〉ありがとう...


〈アゲハ〉?


アゲハにはなんで、ナズナがありがとうと言ったとかわからなかった。


ナズナはアゲハの変化に嬉しく思っていた。それと同時に寂しい...儚い思いもあった。


ー 54 ツンデレと寂しがりや ー おわり

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