第二章:殺意の蹂躙

「え? ああ、そうだね。俺もその辺にいるのかと思って少し探したんだけど、そんなに広くない場所にあれだけ人がいたらね。お互い見つけられなくても無理ないよ」


 横から口を挟んできた嶺垣へそう告げて、草本はまた絵夢を見る。


「それで、こっちではどんなことが起きてたんです?」


「簡単に説明しますね」


 そう前置きして、絵夢は光野が死んだ瞬間から草本がこの控え室へ入ってくるまでのことを教えた。


「……殺人事件、か。なんだか信じられないな」


 一通りの説明を聞き終え、草本は苦しそうに息を吐き出しながらそう呟く。


「あの、草本さんはマネージャーの方と一緒ではなかったんですか?」


「え?」


「レイニーのメンバーや光野さんにはマネージャーが一緒にいるから、草本さんはどうなのかなとちょっと気になったもので」

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