第二章:殺意の蹂躙
声を失い口元を押さえながら硬直した天寺へ、七見はその視界を塞ぐように歩み寄るとそっと両肩に手をやった。
「今日のライヴは中止だ。今後のことについては落ち着いてから話をするから、今は控え室に戻るんだ。良いね?」
天寺の顔を覗き込むようにして七見が告げるが、言われている本人は両手を震わせるばかりで反応がない。
「あのぉ……、七見さん?」
舞台袖から、また声が聞こえてきた。
絵夢の立つ位置から姿は確認できないが、日向であることは声ですぐに分かった。
ショックを受けて立ち尽くすばかりの天寺から僅かに視線を逸らし、七見は左手を前に突き出してこっちには来るなというジェスチャーをする。
「駄目だ。こっちには来ないで。みんなも一旦控え室に戻っていてくれないか。ちょっと、問題が起きた」
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