第二章:殺意の蹂躙
それを外すための鍵であるならば、サイズや形的にも違和感はない。
「あ、あの……ちょっと良いですか?」
スタッフらしき男が、困惑した様子でステージへ現れる。
「何ですか?」
七見が振り返って対応をすると、そのスタッフはたった今自分が出てきた舞台袖を指さす。
「あの、お客さんの中に警察だと名乗る人がいまして……。その……ステージの状況を見せてほしいと言ってるんですが、どうしますか?」
「警察? ああ……ちょうど良かった。通してくれて構いません。どのみち、呼ばなければいけなかったですしね」
「わかりました」
七見が頷くのを見て、スタッフはすぐに引き返していく。
「七見さん、警察が来るのであればここにいる人を全員ステージから出した方が良いと思いますよ」
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