第二章:殺意の蹂躙
天井から伸びるフックが上蓋に引っかけられた。
淡々と準備を整えていくアシスタント。
(……たぶん、もうあの中に彼女はいないな)
彼らを眺めながら、絵夢は胸中で呟いた。
耳元に違和感を感じ、ちらりと横を向く。
顔のすぐ側で、またもや嶺垣が何かを喋りかけてきていた。
「音楽がうるさくて何を言ってるのか聞こえないよ」
苦笑しながらそう言葉を返してみる。
声が聞こえないのは嶺垣も同じだったらしい。
首を傾げながら絵夢の口元へ耳を近づけてきた。
「後で話そう。今は音がうるさいから」
少し大きめに声を出すと、なんとか聞き取れたらしい。
嶺垣は頷きながら顔を離した。
(でも、これはさすがにうるさすぎるな……。耳が悪くなりそうだ)
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