第二章:殺意の蹂躙
【2】
十三時二十分。
次々に披露される光野のマジックは、どれも素晴らしいものだった。
なぜこれほどの実力がありながらテレビに出ることをやめてしまったのか。
定期的に特番でも放送すれば、間違いなく視聴率が稼げるはずだろうに。
(何か事情があるのかもしれないけど、もったいないな)
背後から断続的に響いてくる喚声に若干の煩わしさを感じつつ、絵夢はそんなことを思う。
ステージに、木箱が一つ運びこまれてきた。
アシスタントがステージの上方をちらちらと確かめながら、所定の位置へ木箱をセットする。
小さくはないが、大きくもない。
人が一人しゃがみ込んで入ればちょうど良いといったサイズの木箱。
「あ、これってあれじゃないですか? さっき草本さんが言ってたマジック」
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