一千万円

 雑誌を読んでいて、六十までに一千万貯めたい、というようなことが書いてあって心底驚いた。いや、安月給の身でおこがましいとは思うのだが、一千万というのは理想とするには余りにも……。退職金も年金もあてにならないし、将来的に老人ホームに入ると考えたら、お話にならない金額ではなかろうか。それとも持ち家があって、子供が三人いて、いざとなったら頼りにするとか、そういうことだろうか。


 もう将来の事なんか知らんと開き直って、好きなだけ遊んで、まあ、六十の時に一千万残っていたらいいか、という事ならわかる。それは理想というより夢想だが、現実ではないのだから。なんというか夢のない話だ。五億でも十億でも、好きなことを言えばいいのに。

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