6ー15







 ドアを蹴り開けた先には、火災があった時に職員室にいた先生達や校長、そしてこの学校の理事長であり、幼馴染の姉的な存在の香坂が縄で両手が縛られていた。



 縛られている先生達の中には、怪我をして血を流している先生もいる。勇気を出して抵抗したら、暴力でも振るわれたのがよく分かる。



「達也……!」


「やっぱり、いたか……」

(学校内にいなかった先生達が半数以上いるな……それと……)


「あぁ?!なんだテメェ。外にいたアイツらは何してんだよ?」



 主犯格かどうか分からないが、フード男達の中で一番図体がデカく、偉そうにしているフード男が舌打ちを何回もしながら、職員室の扉にいたフード男達の事を罵っていた。



「外にいたアイツらって……あぁ、なんか寝言を言いながら壁にもたれて寝てた人達のことか?」


「は?アイツら何サボってねてーー」


「な訳ねーだろバーカ。ここに来るのに邪魔だったからぶっ倒したに決まってんだろ。ちゃんと脳みそを使いなさい。デケェ頭をしてる……けど、お前にあるのか知らんけど」


「なんだとこのクソガキィィ!!!!」


「え、ええ……?」

(ちょっと煽ったら、単純な行動でもするかなーって思ったけど、コイツ……煽り耐性無さ過ぎ)



 脳筋……と言う言葉が合いそうなフード男を無視しつつ、この部屋を詳しく見てみると脳筋フード男の他にも下っ端的な奴らが脳筋フードを省いて六人いた。


 そして、先生達と一緒に両手を縛られている香坂の方を見てみると、安心半分心配半分の目を俺に向けていた。



「……」

(心配しなくても、俺一人で来たわけじゃないからな……)


「聞いてんのか!?クソガキぃ!俺を無視するんじゃねーよ!」



 脳筋フード男が俺の方に怒りながら近づき、掴み掛かろうとした時、俺の背後に隠れていた"狐"が右足を振り上げ、脳筋フード男の左顔面に綺麗にヒットした……が。



「……チッ、クソが。どこから来やがった、このアマァ!」


「ッ!」


「……ふーん」

(体格差はあれど、"狐"の蹴りはそこそこ強いと思うんだが……しかも、不意打ちなのにダメージが入ってないな)



 "狐"に顔を蹴られた事に被っていたフードが後ろに行き、顔を露わになった。


 厳つい……と言うよりもゴツい?ゴリラみたいな顔をしていらっしゃる。うん、ゴリラ。え?この人ゴリラじゃね?わー、はじめてリアルでゴリラ見た!


 俺が少し目をキラキラさせていると、"狐"は小さい舌打ちをし、俺の前に立ち、いつでも行動に移せるようにしていた。



「会長、これは勝負どころじゃなくなりました」


「みたいだな。お前さんの蹴りでもびくともしてないし……てか、そんな事よりもアイツゴリラっぽくね?あの骨格と言い、あの短気さ……ゴリラやわぁ」


「おい!誰が…!」


「何、目をキラキラさせてるんですか。というか感心しないで下さい。子供ですか……」


「無視を、す…!」


「まだ、子供だよって……あれ?法改正で18歳から成人だっけ?でも俺誕生日来てないからまだ子供って事で、セーフ」


「こ、この…!」


「そういう事ではないですよ。ほら、相手が怒って真っ赤な顔が真っ青になってるじゃないですか。そうやって会長は、煽るんですから」


「……!!??」


「いやいや、君、煽ってるの気づいてないの?あー、怖。無自覚系煽り師。恐れ入るわ〜」


「……」



 俺と"狐"がちょっとした会話をしているとフードゴリラ(勝手に命名)が無視られている事に苛立ちを超えて、無言で俺と"狐"を殴りかかってきた。

 

 怒ったフードゴリラの右からの殴り、大振りで、なんのキレもない動きだったので、それほど焦る事なく俺は避け、"狐"は避けるのとお同時にまた、蹴りの反撃をし、今回は強めに、男の命の次の急所である股間に蹴りを入れた。



「フッ……!」


「#&○4・¥$%☆♪!?!?!?」


「……ま、マジかよ」

(て、的確に股間の、そして金の玉に向かって蹴りやがった……。お、恐ろしやぁ〜)


「ふぅ……、鍛えているような体つきをしていましたが、急所だけは鍛えてませんでしたね」


「……」

(俺も体を鍛えてるけど……どうやって金的を鍛えるんよ。俺とバトルした時は俺が勝ったけど……もしかして、手加減してた?)



 フードゴリラは両足を産まれたての小鹿みたいにプルプルとさせ、顔には汗という汗をかいており、股間を両手で押さえながら後ろの方にちょっとずつ下がっていった。


 周りのフードの男達もそれを見て、戦々恐々という雰囲気を出しており、下手な脅しよりも効いてる事に俺は苦笑を浮かべた。



「さてと……降参したくなったかな?じゃないと、もう一回あの世の扉一歩手前まで行く事になるけど……俺は、断然降参を推奨する」


「す、するわけぇ……ねぇだろ!こんな事で降参するかよ!」


「お前……死んだな」


「は?何言ってーーっギャハ!?!?」



 フードゴリラの奇妙な声を出すと同時に、また、顔が真っ青になったと同時にフードゴリラの両足の間から黒いタイツとハイヒールの履いた足が見えた。


 一度にならず、二度目という事もあり、フードゴリラが目までイッてしまい、そのまま前のめりに倒れた。



「フッ……乱暴に縛ってくれたお返しだ。このバカ者め。あざがついたぞ」


「予想はしてたけど……けどよ」

(どーして、急所を的確に蹴り上げるのですかねぇ〜。コイツ……死んでねぇよな?なんか、ピクピクしてるわ)



 フードゴリラの金的を二度目を綺麗に蹴り上げたのは、両手を縛られ、他の先生達と一緒にいた香坂だった。


 

 "狐"がフードゴリラの金的を蹴り上げた後、その一部始終を見て、固まって戦々恐々としてる他のフード男達を1分も掛からず無力化し、先生達を解放すると同時に、香坂はそのまま勢いのままフードゴリラの後ろに立ち、一度目の金的蹴りで悶えているところに二度目の金的蹴りを入れた……という訳だ。恐ろし。

 


 ピクピクと痙攣しながら意識を失っているフードゴリラを一息して、一瞥いちべつし、そのまま俺の方に目線を向けると、泣き出しそうな顔になっていた。




「達也ぁ……!怖かったよぉ……!」


「うん、俺はお前が怖いわ。ちょっとこっち来ないで下さい。お願いします」


「な!?」



 さっきフードゴリラにやった事を忘れたかのように言ってくる香坂に対して、俺は数歩離れて、香坂との距離をとった。







ーーー


ご無沙汰しております。海男です。


本当は、0時に更新するつもりが、予約設定もせずに寝てしまって……こんな中途半端な時間に更新する事になっちゃいました。


後、謝罪のやつは後日、消させて貰います。



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万引き犯の罪をなすり付けられた女性を助けたら、学校の美少女でした。 海男 @taku12345

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