67 新世界
中は意外にも、真っ白で無機質な空間だった。
広大だが、なんの色も無い。
(新たな世界だからこその、白、と言うわけか)
ケルは思う。そして色は白なのに、力がみなぎって来る。
闇でもなんでも、別に良かった。
次いで、アリシャも、中へと入って来る。
「女子よ!」
空間の中心へと、位置取るケル。
そして、黒い触手をあちこちへと飛ばし始める。
「貴様が何者でも良い!」
どんどん白い壁と中心のケルが、繋がっていき、
まるで、巨大な蜘蛛の巣のようになる。
広大な空間に広がる、黒い網目状の世界を作っていく。
「
前に居るアリシャへと、怒鳴るケル。
「貴様を最高のワシの人形にしてやろう!!」
叫ぶと、数百の触手が襲う、
アリシャはそれを、浮いて後ろへと交わしていく。
「無駄だ!!」
叫ぶと雨あられに触手を四方から襲う。
それを後ろに回転してジャンプして交わす。
アリシャは、横の壁に足をつく。
その時、白い壁から、一気に黒い手、脚、触手が襲う。
(ガシッ!)
と、身体を掴む。
「死ね!!」
そして四方八方から、黒のラインが身体を貫く。
アリシャを中心にして、数千本の黒い糸の様なモノが。
貫きまくる。ケルはしっかりと目視している。
確実に仕留めるために。身体へと刺さっている。
隙間なく刺さる、黒く長い針は、身体を埋め尽くす。
「とどめだ!!!」
叫んで、全ての身体の突起物をまとめて、ドリル状にする。
そして、心臓へと突き刺した!
―――静寂が支配する。
宙に停止していたアリシャの、身体から全ての突起物を取り除く。
すると、アリシャは消失していた。
そして、この場から光属性が完全に消えた。
「本来ならば人形にしたかったがな」
と呟くケル。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます