26 最後まで国王らしく 

現在。ポルゾイの記憶を再生中。

―――――――


「カムイを出せっ!!」

国王エクシズを、足蹴にしているポルゾイ。

しかし、王から、笑みがこぼれる。


「何?!」

ポルゾイは不思議がる。状況は絶望的。

今や、闇が城を覆い、誰も身動き出来ない。


 ホールに居て、近衛兵を、脳支配ドール

していたケルが、城内全てを、闇で覆ったと、確信し、国王の部屋へとやってくる。


「カムイを仕留めたか?」

と部屋に入って聞く。


「何処に居る!?」

ポルゾイは何度も聞いている。


「隠れても、無駄じゃ」

ケルは部屋を、闇の触手でカムイを探す。

こうすれば、隠れることは不可能。


その時。

「フフ」

と、ケルに向かって、エクシズ王は笑う。


「この状況で何故笑う?気が触れたか」

ケルは言う。

 国王室の壁を、調べ始めるケル。

やはり、全てが闇で覆われている。逃げ道は無い。


「ん?」

違和感ある壁。そこに紫の石が嵌っている。

何処かで見覚えがあるケル。


「この石は?・・」

創られた石。


「錬金術・・か」

それがどうした。という感じで言うケル。


「・・・」

しかし、エクシズ王は、身体が弱り切りながらも、

意志を持ち、しっかりと、ケルを、見つめている。

 

「なんだ、その目は」

気に入らないケル。


「おい!教えろ!」

ポルゾイが暴れる、が


「が・・」

とケルが、闇で押さえ付ける。

 

闇で押さえる事は、物理的に人間の身体を、

外側から押しつけるのと同じ事、そうすると、動けなくなる。

 そして、中から動きを封じるのが、脳支配ドール

しかし、アバランテ家は、メンタルが強くて、脳支配ドールに出来ない。


「もしや?」

ケルは1つの可能性に思い当たる。

1000年続くアバランテ家。そして紫の石。

カムイが、どうしてここに居ないのか?

その答えが、導かれる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る