13 普通じゃない女子

ここは、フェアリーの店


「封印のストーンは、創るわ」

レベッカは、ポルゾイに、そう言いながら、髪飾りを外す。

そこには、4色の宝石が付いている。


「早くしな」

ポルゾイは言う。


「その前に子供たちを、放して!」

レベッカは、心配して大声で言う。早く氷を溶かさなきゃ。

 

「はは!良いだろう!」

と笑いながらポルゾイは部下に指示すると、子供を放す。

 

レベッカは、髪飾りから、赤い宝石を取ると、投げる。

と(ボッ)と、空中に火が付く。


「あ?!」

ポルゾイは驚く。

 その火は、子供たちを、あっという間に氷から解放する。

幸い、凍らせられてから、あまり時間が経っていないようで、

命に別状はない。


(ふう・・、良かった)

レベッカは、安心する。


「この人たちを、店の外に出して!」

ポルゾイに、側近の近衛兵を店外へ追い出すように言う。


「わかった」

支持を出して、店外へと退出させる。


(バカが!どうせ外は、俺の側近だらけ、子供の逃げ道などは無い!)


(この女も、鍵を作れば用なしだ!全て奪って殺してやる!)

と心の中で思うポルゾイ。


「言われたとおりにした」


「・・いいわ」

レベッカはそう言うと、屈みこんで、地下室への扉を開ける。

手には、トートバッグを持っている。

 入ると、円状の部屋。

マリンブルー1色で、全体がぼんやりと光を放つ。

中心には、丸い椅子とテーブル。


椅子に腰掛けるレベッカ。バックを開ける。

中には色々な石。その辺の道端に転がっているような

小石が、沢山入っていた。


「なに!?」

ポルゾイは意外そうに言う。

特殊な石、高価な宝石を想像していたらしい。


レベッカは、石ころを、適当に手の平へと乗せる。

 やがて、球体の部屋全体が、ぼんやりと光ってくる。

そして壁には、中心の椅子へと続く、蜘蛛の巣のような模様が現れる。


「なに!?」

キョロキョロしながら、驚くポルゾイ。


模様を伝わってくる、脈打つエネルギー。

それは、椅子を通して、レベッカの身体へと伝わる。


身体が青く光り、眩しさを増す。


「??」

ポルゾイは不思議がる。


青い光は収束してレベッカの、手の平一点に集まる。

そして、小石を青いエネルギーが包む。


すると、小石が浮いて、動く。

きめ細かく、液体状になったかと思えば、

くっつく、分解するという事を、繰り返す。


「な・・なにー!?」

驚くポルゾイ。


それは石の、元素を分解し全く別の物に、創り変える。錬金術アルケミスト

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