第7話師匠ができました
目が覚めると朝だった。
窓から差し込む光は穏やかで外から鳥のさえずりが聞こえる。
「ん……、朝か」
扉がノックされて、外から声が聞こえる。
「失礼します」
そう言って入ってきたのはマーサさんだった。
「昨日夕食のため呼びにきたのですが、反応がなくって心配したんですよ。御当主様が起こさなくて良いとおっしゃったので起こしませんでした。余程疲れていたようですね。」
「うん、昨日いろいろあったからね」
そう、昨日は散々だったのだ。それはもういろいろとね。
そのあと朝ごはんを食べてちょっとすると、魔法を教えてくださる先生が来る時間になった。
父のジャックとアルバートで先生を出迎えることにした。
「今日来られる先生は本当に有名な奴なんだ。しっかり挨拶しなさい。わかったね?」
「分かっております、父上。」
「はあ、本当にお前は5歳なのか?」
「心配しておられるのですか?」
「いいや、もういいよ。その調子なら大丈夫そうだ」
そんな会話をしていると屋敷の門が開く。
その先にいた人物は40歳くらいの男性だった。赤髪赤目で熱血教師のイメージ。
男性が歩いてくる。
「久しぶりだな、ジャック」
「久しぶりだな、ブレット。相変わらずだね」
「こんな態度を見せるのはお前だけだ」
「それは俺に対して好意を持って………。」
「はあっ!?ちげぇよ。うぜえな」
見た感じどうやら知り合いのようだ。
「じょーだんだよ、冗談」
ブレットがアルバートを指差して口を開く。
「こいつがお前の子供か?」
それを機にアルバートが口を開く。
「はい、自己紹介が遅れました。ハワード侯爵家が四男、アルバート・フォン・ハワードです。本日からよろしくお願いします、ブレット様」
「様はやめろ。なんか他の違う呼び方がいい。」
うーん、ここはご機嫌をとりに行かないといけないのか?ジャックはこっちを向いてなんか期待してるぞ感出してるし。ここは俺の力の見せ所ってところか。
「では、師匠はどうでしょうか?」
するとブレットは目を大きく開けて答えた。
「し、師匠だと!?お、俺が師匠かー、いい響きだなー、うん、俺は師匠だ。これからは師匠と呼べ。アルバート?」
「はい、師匠、アルバートです」
「んー?アルバート、長いからアルでいいか?」
「構いません!師匠!!」
「くぅ~~、いい響きだなー。分かった、アル、今日からお前は俺の弟子だ!」
「師匠!!」
「弟子!!」
アルバートがジャックの方を向くとグットポーズをしていた。
どうやら師匠はチョロいらしい。
おだてればおだてた分だけ機嫌が良くなる。
そんな事をしているとジャックが
「はいはい、じゃあししょー頼んだぞー、ししょー」
「てめえ、覚えとけよ」
「ごめんってブレット、俺の息子を頼んだぞ」
「はっ、俺の弟子になったからにはたくさん魔法を使えるようにするから安心しろ!」
「じゃあよろしく、魔法の演習は屋敷の庭でやってくれて構わないよ。魔法障壁も張ってあるし」
「さすが、侯爵様は設備が違いますね~」
「はいはい、アルバート、父さんはこれから領地経営の文書の確認をしないといけないから、庭に案内してあげて」
領地経営か、大変だろうな、その気持ち官僚だったからよくわかるよ。文書の量がすごいしね。
「分かりました、お任せください」
そうして庭へブレットとアルバートは歩いて行った。
____________________
フォロー、ハート、レビューよろしくお願いします!
今日はもう1話更新するつもりです!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます