第7話 最終頂上決戦の行方。

白雷神熱注掌はくらいしんねっちゅうしょうッ!!!」


 両手を摩擦する天周のまわりに稲妻が走る。


「天周、世界征服を諦めろ」


「ダメだ」


「なぜだ?」


「この世界は腐っている」


「・・・」


「この世界には必要なのだ」


「なにがだ?」


「世界を正しく導く指導者が!」


「・・・諦めろ」


 稲妻が俺の横に落ちる。


 だが、俺は動かない。


 俺は天周の目を見た。




「お前の野望は、俺が阻止そしする」




「我が世界征服の邪魔立ては許さんッ! はああああッ!!!」




 天周が気合を入れる。


 バキュン!


 シックスパックの腹筋が、108個になった。


 両手を摩擦するスピードが上昇。


 蛇のみたいだった稲妻が、


 龍のように巨大になり、


 白龍のような稲妻が天周のまわりを、


 たけとどろく。



「これで一兆度1000000000000度だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!」







「・・・一兆度は厄介やっかいだ」


 だが、


 ・・・今の俺なら、できる。


 超チート能力者チートリガイアスになった俺なら。


 俺は制御できなかった力。


 第二の封印を解くため・・・・・・・・・右手の二本指でいんを切った。




 チート能力のうりょく無韻界斜むいんかいしゃ真流しんることわり羅刹らせつかいしょくッ!!!!!




 封印していたチート能力が解き放たれ、


 俺の中で暴れまわる。



「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」



 チート能力が暴れ、


 俺を力で押し潰そうとする。


 俺の意識を乗っ取ろうとする。


 自分が自分でなくなりそうだ。


 俺は歯を食いしばり、


 叫んだ!



「俺は、俺だああああああああああああああああああああああああああああ!!!」



 ピッカアアアア!



 俺は光った。


 そして、


 右手のこうに、


 チート使いの紋章チートエンブレムが浮かぶ!!!!!


 俺は右手のこうそらにかざした。


 チート能力オーラのはしらが、


 そらくもつらぬく。



「さあ、始めようぜッ!!! 俺たち二人の同じ技を持つ者の最終頂上決戦クライマックスバトルをッ!!!」




 俺は構えた。


 同時に、


 天周も構えた。




「いくぞッ!!!!!」

「いくぞッ!!!!!」




 天周が三つ矛の形をした右手が突き出し、三つ矛の救済船トライデント・ノアを放つ。


 瞬刻しゅんこく


 俺は超光速スターライトエクスプロージョンバーストエクセレントノヴァで突っ込む。


 だが、


 三つ矛の救済船トライデント・ノア雷光らいこうに押され、俺は少しずつ押し戻されてしまう。



「はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」



 天周の叫びと共に、腹筋が14258個に割れた。


 トライデント・ノアの威力が上がる。



「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」



 裂帛れっぱくの気合いと共に、俺は全力のチート能力を使う。





 超チート能力ッ!!!!!!!!!!





 バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!




 俺はトライデント・ノアを突き破った。




「なんだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」




「これがお前を倒す技だああああッ!!!」





 ちょうチート能力のうりょく第六冥天威だいろくめいてんい一京いっけい一億いちおく八千七百はっせんななひゃく七十八式ななじゅうはちしき究極奥義きゅうきょくおうぎ回螺旋気分かいらせんきぶんッ!!!!!





 ギジュンギジュンシュンシュンシュババババズッバアアアアア!



「ぐはああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」





 俺は天周の背後に立ち、残身ざんしんをとった。





しゅよ。謳歌おうかしろ」





ブシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!




 天周の体から、大量の血が吹き出す。




 だが、




 天周は倒れない。




 立ったまま、言い放つ。




「・・・やはり、貴様こそが最強、この世界の頂点に立つ者だ」


「いや、俺は、ただの一般人だ」


「フッフッフ、それが、貴様が、良いと思う生き方か?」


「ああ」


「・・・やはり、貴様と仲良くなるのは、難しいな」


「いつまでっても、れないヤツだ」




 天周は鼻で笑い、


 倒れた。





 俺はポケットに手を入れて、


 倒れた天周に、


 背を向ける。





「天周、頂点しか見ていない者に、その先は見えない。空も大地も見ず、世界の広さも知らないで、この世界を征服なんて、おこがましいにも、ほどがあるぜ」






 瓦礫がれきの山の上に、ただ一人立つ。


 まるで、勝者が立つ、表彰台ひょうしょうだいにでもいるかのように。


 嬉しさはない。


 むなしさだけだ。




「この瓦礫がれきの山の上が、世界の頂点か・・・」




 俺は自嘲気味じちょうぎみに笑い、空を見上げるのだった。




 無限に広がる、青い空を。
















 ・・・さらば、好敵手しんゆうよ。






~ 完 ~





読者A

「なげええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええゲロゲロゲロゲロオオオオオオオオオオオホオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

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