第4話 チート能力に匹敵する力を所持する者。

 サササササササアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!


 天周てんしゅうは両手をこする。


「チート能力を直接打ち込む! 食らえ!」




 チート能力ッ!!!




「せやああああああああああ!」


 天周てんしゅうが右手を突き出した。




 パシュン。




「な、なんだと! チート能力を打ち消しただと!?」


「言ったはずだ! 我はチート能力に匹敵する力を得たのだと!」


「そんな!」


「フッフッフ! 我にチート能力は無い! だが、我はチート能力者たちを従えていたチート能力四天王の総主そうしゅ! ぞんざいなチート能力が、我に通じるなどとは、ゆめゆめ思わぬことだな!!!」


 俺は奥歯を強く、噛みしめる。




「・・・貴様、いいかげん、本気を出せ」


「・・・」


「分かっているのだ。貴様が、まだ本気を出していないことなど」


 天周てんしゅうは横にあった建物を殴りつける。


 バゴン!


 建物は粉々に砕けた。


「貴様ッ! 我を弱者とあなどるなよッ! 我は西園寺天周さいおんじてんしゅうッ!! いずれこの世界の頂点に君臨し、世界をあるべき姿に導く者だあああああああああああああああああッ!!!」





「そうか」


 俺はポケットに手を入れて、立つ。





 俺の雰囲気が変わった。


「フッフッフ! アーッハッハッハ! さすがだ! なんて力だ! これでこそ我が認めた者だッ!!! アーッハッハッハ!」


 俺と天周てんしゅうは、睨み合って、対峙した。








 ギギギギギギギギギ。


 何かが動く、音がした。

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