第24話 さらば、フィーアルネシア。

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 リーナへ


 リーナ、誕生日おめでとう!


 また一つ歳を重ねて老けたね!


 おめでとう!


 あははは!


 でも、大丈夫だよ!


 リーナがいくつになっても、ボクはリーナが好きだからね!


 たぶん!!!


 このプレゼントはキレイなリーナに絶対に似合わないよ!


 断言できる!


 でも、絶対に身に着けること!


 もし着けてなかったら絶交だからね!


 めっちゃがんばって作ったんだから!


 5分ぐらい!


 嘘!


 3カ月かけたんだ!


 だから、絶対に絶対に着けてね!


 まあ、プレゼントだし、リーナの好きにしていいけどね。


 リーナ、誕生日おめでとう!


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「アレスらしいな」


「・・・そうね」


 リーナはラッピングされた箱を開けた。





 木で作られた手作りの指輪だ。





 リーナは指輪と手紙を大切そうに手で持った。


「・・・バカなんだから」


 リーナは微笑んだ。




 左手の薬指に指輪をつける。




 その優しい微笑みは、指輪に埋められた宝石のように、美しく輝いていた。







「・・・さて、お邪魔虫は去るとするか」

























『・・・・・・ありがとう』























「・・・・・・ッ!?」















 聞こえるはずの無い声が聞こえた気がした。















「・・・・・・俺もどうやら、邪眼系かもしれないな・・・」



















 俺はゲートをくぐる。



















 そして、こらえていた涙を、流した。

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