第35話 ぼーえきだ!! 鉄を探せ!!
「んー、輸入するにしても、ルーデルからは運べないよねえ」
「そうでありんすなあ……陸路は荷が重いでありんす。鉄でも鉄鉱石でも、テリヤキからの輸入になるでありんすなあ。舟ではありますが、水運を利用できるでありんす」
「おお、なんかいけそうだね。よーし、大々的にやろう! 大々的に!」
「あほでありんすか、まずは小規模から始めてだんだん規模を大きくするのが常套でありんすよ。高炉だって試験が終わってないでありんす」
「そっか……。まあ、この何でもある大地、きっと鉄鉱石とか見つかるよね」
いろいろと細かいけど今偵察に出しているハンタとケンさんがきっと何か見つけてくれるでっしゃろ。
そのハンタの報告。
「ななな、なんと川の近くに今度は石灰石が露出している状態で見つかったとな!?」
「ええ、相当広大な範囲で露出しておりました。埋蔵量は相当なのではないかなと」
「相当な埋蔵量」
「普通に石灰は売れるでありんすー! しゃちょー、早く独立国家宣言出すでありんすー!」
「独立国家って。まだ村にもなってないのに。気が早いなーアキちゃんは」
でも国家となると私はしちょーからじょおうへいかかぁ……
ないわ。
まあ、流れはそろいました。
鉄鉱石を輸入加工し鋼鉄にする。それで商品を作り売り飛ばす。上がった利益でさらに鉄鉱石を~~最終的には鉄鉱石採掘場を見つけて、自前でもってる石炭と石灰を利用して鋼鉄を作成。
こんな感じだね!
よし、まずは元手が必要。春の岩塩交易利益は諸々の経費ぬいて2000ユロルにも達したのですが、貯金することに。
あ、綿花の染色なんかはうまくいったので、ハリコーのセンスで服に仕立て上げて販売してみたよ。染色された糸も同時販売。
それの利益が1500ユロル。どん。重量比ではこれが一番いいわ。マジックポーチとかに詰め込んで交易させよう。マジックバック類、追加で購入だね。
いやー難しかったけどなんとか貿易ルート構築できそうです。
――――
ロボット渾身の舟が完成して、岸壁もこことテリアルブ双方の船乗り場に完成し、テリアルブへの移動が楽になった!よーし、さっそく貿易しようじゃあないか。
「あっちにも支部建ててあるから受け入れ準備は万端っすよーいって降ろして、数日待てば鉄鉱石がやってくるでありんす」
「開拓地のみんなも乗せてテリアルブで遊んでもらおう、ぱーっとね、ぱーっと! しっぽぽよんぽよよん!」
舟といっても、積み込みができる程度には船なんです。そんな舟。川も一級河川みたいな感じだからね。
がーんせきつみこんでー、ふくしょくしまいこんでー、ひーとをつみこんでー、わーたしをのせてー、れっつごーごー!
れれれーれっつごー、ごーごーごー、れっつごー。
魚のモンスターとかいて、てんやわんや。ブラックバスバス、ピッラニア、田中さん。
みんな逃げまどっていましたけど、そんなに大きいモンスターじゃないのでハルキ君が経験値狩りしてましたね。
田中さんは強かった。危なかった。
「ついたどー!!」
「じゃあわっちは積み下ろしを指示してくるでありんすー」
「あーい、キッコリー達はは久しぶりの休暇を楽しんできてね」
「あいよ、いってくらあ」
各自バラバラになったところで(多分みんなふーぞくにいったんだと思うな)、私、護衛のモロッコシー、ペットのエンたん、この3人で積み下ろしの見学に。視察楽しいです。
積み荷は引き車に乗せられてうちの商会の倉庫に。アキちゃん私の知らぬ間にこんなん作ってたんやね……。
そして、テリアまで移動。テリアルブに商会があったら誰も苦労しねーよ。
テリアの各商会を巡って商談開始。私は横で見てるだけー。暇でしっぽなでなでしてしまう。
結構まわりましたが、大体の所ではしゃちょーと思われませんでした。アキ市長とその一行という感じ。なんでだよー! わたしがしちょーでありしゃちょーだ! そもそも市じゃねーぞ!
「ふーん、アッサンドロコンデス社に岩塩、コロコロロココモココココ商会に衣服を売って、殺生石鉄筋チームから鉄鉱石とコークスを購入すれば最上の利益が出るでありんすな」
「なんで殺生石だけ漢字なネーミング」
「しらないでありんす。鉄鉱石は今後わが開拓地で手に入る見通しがあるということで、ここは鉄鉱石とコークスだけというよりはつながりも手にれるわけでありんすな。今後耐熱レンガを作るときに材料を輸入したいって鍛冶屋のカジちゃんの、高炉系統専門家のお弟子さんから聞いてあるでありんす。処理できるならくず鉄を引き取って加工して売りつけたいでありんす」
「わたしよりくわしい」
「情報は命でありんす。殺生石鉄筋チームは総合的な岩石と鉄の商会なので、手に入らないのはないと思うでありんす、ルーデルの岩石系商会より質や供給量が低いとは思うでありんすが」
「おねだんはどうなんですか」
「1ユロルの価値が違ってくるので、なんともいえないでありんす。こっちの方が安く仕入れられるでありんすが、岩塩とかも安くしか売れないでありんす。ルーデルは売値は高いけど買値も高い。テリヤキ国から買ってルーデルで売れば一番かもしれないでありんすが、交通費がかかるでありんすからな、本当なんともいえないでありんす」
「そっかあ(はなほじほじ)」
「アキンドの姉御、俺のモロコシはどうでやしたか? 売れそうでやした?」
「め、珍しくモロッコシーが叫ばない……」
「うるさいのは嫌いでありんす。モロコシはダメでありんすな。ただの家畜飼料の粉としかまだ見られてないでありんす。飢餓が起こったときに援助物資として送りつけてからが本領発揮でありんすな」
「飢餓を助けるのがあっしのモロコシってわけですかぁ! やる気が出るぜぇ!!」
「うるさい」
ドガァ!
思いきり蹴り飛ばされるモロッコシー。数メートルは吹っ飛んだと思う。あのモロッコシーを軽々と吹き飛ばすなんて。アキちゃん何者……?
商談がまとまったので掛金をやり取りして帰路に。これ、〈超古代文明の銀行〉でかってに掛けを清算してくれるらしい。うちに宝箱で銀行造れば自動取引になるなあ。欲しいね。
「おかえりハルキ君、ふーぞくはどうだった? 気持ちよかった?」
「ななななにを言ってるんですか」
「うぶだなー」
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