夜空星空2-4
ベッドの中身は水。
メアリには「あまり乱暴に扱わないでね」と注意しておく。
また、彼女の上着は生地が薄いので、寝るときは枕元に置いてもらう。
その後、相棒にブランケットを追加で数枚出してもらう。
「新しいの出したから使って」
そう言いつつメアリにブランケットを渡す。
もう1つは枕代わりに。
私も横になって明かりを消すと、中庭からの星明かりだけとなる。
今夜は落ち着いて横になっているからか、星の1つ1つがよく見える。
考えてみれば、ベッドを出して寝るのは旅を始めて以来だろう。
旅をしている間はブランケット1枚で、草原に寝そべったり岩に背中を預けたり。
メアリに会わなかったら、この市街地でも壁にもたれかかって寝ていたはず。
ふと横の彼女を見ると私と同じように夜空の星を眺めている。
メアリは何を考えているのだろう。
明日からはこの都市の水源調査に向けた準備。
もし、彼女がそのまま同行するのであれば専用の装備も考えないと。
候補はある。博士の研究室に面白いものがあったのでそれを応用すれば、”人魚姫が空を泳ぐ”ように移動できるはず。
そのことをメアリに話しておこうかとも考えた。
だが、久しぶりにベッドで休む安心感から、もう目を閉じて眠りたい。
ぼんやりとした視界の向こうで彼女と目が合う。
それが夢なのかどうかも分からない。
それまでの事もあって疲れていたのだろう。
あとは――明日起きてから。
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